第二次大戦後の占領期日本に設置された進駐軍クラブにおける日本人の音楽関係者たちの活動や、文化的意義を考察した本である。
軍楽隊で働いていた人たちは、戦後も音楽を忘れることができず、
クラシックあるいは全く新しいジャズという分野で演奏していくのだが、敗戦という思いよりまずは、生きていく事を重視し、日本の中の
「アメリカ」である進駐軍クラブで働く。そうした人たちの聞き書きが
非常に面白い。
クラブで演奏する人々、演奏する人を仲介する人々、そして米軍施設やクラブで働く人々等様々な日本人を描いていて非常に興味深い。
さらに、進駐軍クラブでの音楽が、戦後の日本の歌謡曲を含むポピュラー音楽に多大な影響を与えたというのが、本書の要旨である。
確かに斬新な内容であり、面白く読める。しかし本書の目的である「ポピュラー音楽文化への影響」について深く突っ込んで書かれていないように思う。むしろ、当時働いていた人たちの直接のコメントが最も面白い。