どうあっても画力と、過大評価を言われてしまうかわいそうな漫画ですが、今にあってこの個性はやはり貴重であるのは間違いないと思います。
確かに設定とかも斬新とまではいかないんですが、今時一度も聞いたことのない話なんてそうそうないですし、そこを批判するのも筋違い。
作者性は「それをどう描くか」にかかってますから。
話の肝になる絶望、恐怖を描くにはこの絵柄は適していて非常に好感がもてます。確かに人の書き分けはできてないかもしれませんが、主要三人ははっきり解るし、ぶっちゃけ名前が出てもあっけなくすぐ死ぬ人が多いので、あまり重要なポイントとも思いません。
あ、新キャラの将軍は分かりやすい顔でしたね。
マンガの絵は、作者が伝えたいことを伝えていれば良いんです。巨人のあの生理的嫌悪を起こすような表情、体型、行動、どれもあの絵でしかでない味でしょう。デッサンとしては狂ってますが、それすらこのマンガの悪夢感を出すのには役立っている感さえあります。
「正しくない」絵はキモチワルイものですが、写真があるのに人が絵を描き続けるのは、正確な画では伝えられないものが、人の描く絵にあるからです。
巨人の絵を見て不愉快な気分になるのはある意味当たり前。キモチワルイように描いているのだから。
ただ、人物の表情に関しては確かに力量不足は否めません。無表情なミカサが映えるのは細やかな表情を書き分けることが出来ない作者の人下手の裏返しかも?
周囲の評価が高過ぎて、不当な批評が多いマンガですが、もしそれが「あの本」を見てのがっかりなのでしたら、どうかその不満は「あの本」の方に向けていただきたい。
個人的には「あの本」の評価はこのお話の良さを邪魔しているように感じます。
ただ、誤解のないよう書いておくと、自分もこのマンガが「一番スゴい」とは思ってません。
しかし、それがこのマンガの良さを損なう理由になるとも思いません。