私が大学生だった頃(1970年代前半の話になるが)、理学部とか文学部には大学生を定職として選んだのかという御仁が結構いた。何年も留年し、次から次へと色々な学問を渡り歩くのである。昨年度は物理をやったから、今年度は生物をやろうとかいった具合である。こういうことが可能であったのは、国立大学の授業料が破格的に安かったからで、自分の生活費さえ、バイトで稼ぎ出せれば、年限の限度一杯まで大学にいても、親はなんともできなかった。だって、親に仕送りを受けてない以上、親としてもどうしようもないのである。それから私立大学と国立大学の学費にかくも開きがあるのは教育の機会均等に反するとかいって、私立大学の学費が下がるのではなく、国立大学の授業料等がどんどん値上がりし、国立大学の1年間の学費が車一台買えるぐらいの値段になってしまった。一体この費用は誰が負担すべきなのか、学生個人なのか、学生の親なのか、あるいは社会全体で支えるべきものなのか、イギリス、スウェーデン、ドイツ、フランス、オーストラリア、アメリカ、中国、韓国といった国と比較しながら、色々と考えさせてくれる1冊である。