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進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書)
 
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進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書) [新書]

小林 雅之
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「大学全入時代」という言葉がささやかれている。誰もが進学可能な印象とは裏腹に、統計調査からは、大学進学にあたって様々な格差があることが浮かび上がってくる。親が子の教育費を負担するのは当然という意識は、世界を見渡すと日本は突出して高い。このことが進学にまつわる問題を覆い隠してきた面があるのだ。今後、教育費の公的負担と私的負担はどのような関係をとればよいのだろうか。各国との比較をふまえ、現状認識と同時に、日本の教育政策に再考を促す一冊である。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小林 雅之
1953年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。放送大学教養学部助教授などを経て、東京大学・大学総合教育研究センター教授。博士(教育学)。専攻は、教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 186ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/12)
  • ISBN-10: 4480064613
  • ISBN-13: 978-4480064615
  • 発売日: 2008/12
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Tich
形式:新書
圧倒的な統計データと著者の長年の研究成果を元に、進学と経済の問題について論じている。とりあえず、自分の息子や娘を「大学」まで進学させたい教育熱心な親は読んでおいて損はない。

本書の高評価のポイントはなんといっても、進学と年収との相関関係についての圧倒的なデータ量である。一般論として、学力と親の平均年収には正の相関があると言われるが、それを男女別・年収別に細かく区分するなど大変興味深く参考になる。

東大生の親の平均年収は軽く1000万を超えていると言われるが、本書を読めばその理由が痛いほど分かるはずだ。その他にも、海外における奨学金事情・大学教育事情などを記述し、マクロな視点から日本の進学格差について深く考察することができる。

マイナスポイントとしては、圧倒的なデータ量を用いた統計データばかりで、やや一般読者がきちんと咀嚼するには時間がかかる印象を受けた。「新書」なのだから、論文風ではなく、学生や親へのインタビュー記事を多くとりいれるなどの工夫をして欲しかった。これは、「ちくま新書」全般に言えることであり、全体的にお堅い印象を受ける。ぜひ、改善して欲しいところである。まあ、著者が東京大学の教授なのだから堅い文章になることは想定の範囲内のことではあるが。

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25 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
私が大学生だった頃(1970年代前半の話になるが)、理学部とか文学部には大学生を定職として選んだのかという御仁が結構いた。何年も留年し、次から次へと色々な学問を渡り歩くのである。昨年度は物理をやったから、今年度は生物をやろうとかいった具合である。こういうことが可能であったのは、国立大学の授業料が破格的に安かったからで、自分の生活費さえ、バイトで稼ぎ出せれば、年限の限度一杯まで大学にいても、親はなんともできなかった。だって、親に仕送りを受けてない以上、親としてもどうしようもないのである。それから私立大学と国立大学の学費にかくも開きがあるのは教育の機会均等に反するとかいって、私立大学の学費が下がるのではなく、国立大学の授業料等がどんどん値上がりし、国立大学の1年間の学費が車一台買えるぐらいの値段になってしまった。一体この費用は誰が負担すべきなのか、学生個人なのか、学生の親なのか、あるいは社会全体で支えるべきものなのか、イギリス、スウェーデン、ドイツ、フランス、オーストラリア、アメリカ、中国、韓国といった国と比較しながら、色々と考えさせてくれる1冊である。
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17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
「進学格差」というタイトルは間違いではないが、ややミスリーディングな感じ。本書の議論は、ほぼ高等教育に関わる教育費負担の重さと奨学金制度の国際比較に収斂されている。日本は国際的に見ても親の負担が重過ぎるというのが、統計など見ても分かる。家計負担で何とか無理してもやりくりしてきたので大した議論にもならずに済んだが、それももう限界になりつつある。誰が高等教育の費用を負担するのか?は今後議論になる、著者は主張する。

高等教育を受けるか否かの選択において、学力のほか経済力が重要な要因になっていることを統計が明らかにする。高等教育の費用はヨーロッパにおいては国が主に負担しており、学生が自分で負担しているとの言説が広く出回るアメリカにおいても国・自治体の奨学金で相当数の学生がカバーされているほか、授業料を高く取ってその分奨学金に充てるという手段も多い。日本のように、学生・親の負担が大きいというのは中韓と同じであるようだ。高等教育も公共セクターが負担するというのが先進国の「スタンダード」のようだが、ほかの途上国はどうなのか気になる所だ。

著者も国の危機的財政下で「国の負担増」を単純に訴えはしない。とはいえ、寄付に基づく大学独自奨学金の充実以外、著者にもまだはっきりした答えは見えていないようだが。
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