登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「進化」という言葉の深さを再認識,
By 綾蔵 (神戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 進化経済学ハンドブック (単行本)
最近、メディアに「進化」の文字が氾濫している。私自身も進化という言葉を安易に使っていたが、本書では進化を丁寧に再定義しており、読み進めるうちに、なるほど世の中で起きている様々な進化を、改めて認識する楽しさが得られた。それは、経済の主要なカテゴリー(商品、技術、行動、制度、組織、システム、知識の7カテゴリー)が進化の視点で整理されることで、その変化の特質を捉えることができるということである。経済の進化するこれら7つのカテゴリーを改めて見てみると、これらの複合的な構造に気づく。例えば「商品」であれば、その構成要素としての生産技術や素材・デザイン・ノウハウなどの結集であるとともに、バラバラに分解すればその各々の要素が個別に進化する特質をもっているのである。それゆえに、模倣が必ずしも同じ結果を生むものとはならないのである。こうしたことも合わせて、実は経済学と生物の進化理論は驚くほど似ているということも新しい発見だった。本書の良いところは、理論の概説だけにとどまらず、関連理論や具体的な進化事例(なんと63事例!)が丁寧に書かれているところにある。興味ある事例から読んでいったが、メディアで「進化」と叫ばれている現象の本質を垣間見ることができる。 進化経済学という名称は、本書を手にして初めて知ったが、この新しい経済学の概念である進化経済学には、定義として確立したものはないのだという。それでも、本書を読めば、日々の経済現象から経済史にいたる経済全般にわたる知見を得られる。そういう意味で、本書は経済学の理論的基礎を提供しながら、そのうえで、伝統的な経済学の限界を進化の視点から突破し、さらに代替する可能性を秘めている。私自身が新古典派の経済学に疑問を持っていることから、大変興味を持って読むことができた。難を言えば値段が高いところか・・・
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
経済学における「進化」,
By TOSHI (大阪市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 進化経済学ハンドブック (単行本)
経済学に全く縁の無かった私が読んでも進化経済学とは何かが概ね理解できる「進化経済学」のまさにハンドブック。冒頭の概説では進化経済学とういう学問の全体像、「進化」の定義と7つのカテゴリー等が示され、続く学説では現在に至るまでの経済学の主たる思想、学説、関連する理論が纏められている。圧巻はパート2で紹介されている63の事例。現実の経済社会における「進化」の類型を研究者により項目毎見開き2頁で要約されたもの。これを読むだけでも価値はある。経済学の知識に乏しい私には論証に用いられる数式や専門用語はやや難解で理解しづらい部分はあるものの巻末に人名を含む用語説明まで付記されている親切さもあり嬉しい。私のように経済学の初心者には「複雑系経済学入門」(塩澤由典著:生産性出版)等と合わせて読みことでより理解の促進に繋がると思われる。 進化経済学は「進化」という視点を経済学に導入することを目的としている。それは従来の新古典派経済学を補完するためではなく、経済学の理論的基礎を提供しようとするものである。新古典派経済学が論じる収穫逓減,均衡理論等、現実の経済活動とは乖離した理論のための理論を喝破し、より現実の経済に近い経済理論を打ち立てようとする議論が展開されている。 現在主流といわれているもの、常識と認識されているものが本当に理論的根拠に基づき合理性を担保しているのかを再考する機会をこの本は与えてくれる。 進化経済学は比較的新しい学問領域であり、研究のダイナニズムを感じるとともに新古典派経済学の批判レベルにとどまるのか、今後、より研究が進み新古典派経済学を代替する領域として確立されるのかも注目に値する点である。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「進化経済学」は流行現象ではない,
By
レビュー対象商品: 進化経済学ハンドブック (単行本)
「進化経済学」は流行現象ではない。本書を読まれた方は、日本から世界に向けて、新しい「知の形態」が送り届けられようとしているのを感じることができるだろう。バブル経済の崩壊を経て、90年代の行き詰まりから生まれた新しい「経済理論」がここにある。「グローバリゼーション」、「金融自由化」、「IT」化の波は、世界に広がる「新自由主義」の大きな波を形作り、経済学者たちの批評的な言説が、エコノミストと言われる「タレント」たちの手に落ちて久しい。だが、「今」の時代ほど「進化」という言葉についての経済的な解明が必要とされる時代はない。インターネットのWeb2.0などに象徴されるが、この15年で極めて大きな「変化」が私たちの生活を変えてきている。その変化に対応する批判的な「知」を模索するために「進化経済学」は生まれたのである。この書物には、二つの特徴があるが、まず一つは「概説」として書かれた「進化経済学」へのアプローチである。「概説」を丁寧に読まれれば、全ての経済学のタームが独自の角度から検討し直された思考のねばり強い深さに驚く事になる。また、後半におかれた事例研究は、「進化経済学」を我々が理解する手がかりとしても興味深い。我々も生活のなかで「進化」の凡例としての紋切り型を無数に見いだすのだ。とはいえ、筆者たちの探求があまりにも「知」の「定型(紋切り型)」を意識しすぎたのか、例えば、「携帯音楽プレイヤー」の「進化」の記述などは、端的に言って間違いである。歴史を逆さまからリニアーに眺める事を「進化」と取り違えている。我々の記憶にその衝撃が、まだ新しいiPod(あるいはiPhone)は、技術の単線的進化から生まれるものではない。そこには、「進化経済学」が遭遇するべき「知の飛躍」が生み出した「進化」が内在しているのである。「進化経済学」もまた我々自身で「進化」させていかねばならないのである。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|