知人や友人との交友にFacebookを活用するユーザーは、今や世界で6億人を超える。20億人を誇るインターネット人口の4分の1以上が、この実名主義のオープンな場所に身を投じていることからも、ネット上に何らかの“異変”が起きていることが分かる。
インタビューを受けたフェイスブック日本支社代表の児玉太郎氏は、Facebookがユーザーの支持を集める理由として「自分の興味のあるコンテンツがそこにあるから」と答えている。確かにFacebook上には興味深いコンテンツがたくさんある。それは「知人や友人が推薦する」という適度なソーシャルフィルタリングを通ったコンテンツだ。知らない人にお勧めされてスルーしてしまう情報でも、知り合いが「いいね!」と言っている情報にはつい目が行ってしまう。
児玉氏のインタビューによると、Facebookの目的としては単に友達を増やすことではなく、情報を共有して双方向の人間関係を築くことが挙がっている。Facebookの比較対象としてTwitterが例に挙がることも多いが、「人間関係の深化」こそがFacebookの真髄なのだろう。海外では友達の削除は失礼にあたらず、平均130〜150人くらいの友達関係を保つユーザーが多いという点からも、Facebookという空間がTwitterとは明確に線引き可能なものであることが理解できる。
なぜ自分がFacebookを使い続けているのか。適度な知人が適度な間隔でその人達にひもづいた情報を出しており、それを見るのが楽しいからだ。知られざるその人の「ひととなり」が透けて見えてくる点が好きだったりする。しかもそれをつぶさに追う必要はなく、ニュースフィードの「ハイライト」と「最新情報」という1画面を開いてみるだけでいい。今のところは、この手軽さが「いいね!」と評価できる点だ。Facebookに興味が湧いてきた人は「今日から始めるFacebook」という特集ページが参考になる。ここを一読すれば、基本操作は問題なくできるようになるだろう。
積極的に試してみたい機能が「ファンページ」だ。ファンページは個人または企業の情報配信、友達との交流の場だと考えればいい。クリックとわずかな情報の入力で基本のページはできあがる。25人のファンを獲得するとURLを指定できるようになる。ブランド力のある企業の製品やサービス、知名度のある個人以外は「いいね!」を積み上げるのは意外に難しいらしい。キャンペーンとファンページの連動やFacebook広告を使うといいそうだ。ちなみにFacebookに対するグーグルのページランクは最高値の10。つまりインデックス化されやすく、検索による誘導効果が高いオフィシャルページが作りやすいということ。この点は目をつけておくべきだと感じた。
企業もファンページ活用に乗り出しておいて損はない。ファンページという場所で発生する対話を通じて、ユーザーにバイラル効果のある告知やブランドイメージを伝えることができるからだ。日本企業で22万人超のファンを獲得しているエスワンオーは、アパレルブランド「サティスファクション ギャランティード」の海外展開にFacebookをうまく使っている。「ビジネスに活用するなら6億人という世界ユーザー全員を相手にすべき。日本向けなんてナンセンス」(佐藤俊介社長兼CEO)という言葉からは、グローバル展開を命題とする日本企業のマーケティングにおける次なる一手が透けて見える。戦略と目的ありきの企業ファンページは、作っておいて損はないということなのだろう。
Facebookの現状を知るにはちょうどいい分量の特集だ。ほかの雑誌でもFacebook特集が組まれているらしいので、さらりと目を通しておきたい。