いろいろな話題を巧みに取り上げ、整理していると思います。全体を「読む・めくる」「選ぶ・買う」「残す・運ぶ」「著す・編む」に分けたのはすばらしい視点です。今は、新しい物を試すことが好きな人たちが中心に騒いでいるように感じます。そのような電子書籍に騒いだり、右往左往しているなか、本とは何か/何であったかを見直す良い内容です。出版業界が自己破綻している状況がよくわかります。また昔ながらの小さな書店の話題も紹介してくれています。昔は街の本屋さんは1冊の本でも配達してくれていました。今のチェーン店は、そんなことをしてくれません。むしろアマゾンなどが、1冊の注文でも自宅に届けてくれています。時代が変わったのです。電子書籍をきっかけに、それを包み込む、さらに大きなことが起こればいいです。電子書籍の価格は難しい。私は、紙の本の著者印税の3倍が電子書籍を買うかどうかの目安にしています。印刷業界と取次ぎは根本的な改造が必要でしょう。
読み終えて感じたのは、物理的なものとしての本も捨てられないこと。本棚から本を取り出す動作、床から積み上がっている本を選ぶ動作、そして読み終えて本棚に戻す動作を忘れられません。それは電子化されていては味わえません。