偶然とはいえ、東北大地震の直後に刊行された本書の特集名は『日本破壊計画: 未来の扉を開くために』である。編集者の予見か、千里眼か。いづれにしても偶然だがその畏怖すべき同時性は失笑もできない。
あいかわらず慧眼で深い洞察のネットワーク思考ともいえる宮台真司の考察もこの地震を予測していたのではないか、と思わせる一方で、政治力と民意の未熟さを指摘する。流石に鋭利な分析である。
加藤典洋の世界の見方も、今回の大震災報道では日本のプレスが全く機能しないでルモンドなど海外からの報道の情報の速さは、現在の日本を正確に見ている。近代日本を中央公論の分析1世紀分読み抜いた評論家のなせる知的風貌の鋭さが残る。
若い世代も宇野常寛などの発言も面白い。編集の予見か、神の予見か、のどちらかかをご高覧の上吟味を願いたい。