今回の大震災なかんずく原発問題に焦点を当てた緊急発行版。ある者は反省し、ある者は提言する。各種論考やルポなど、震災後のわが国の行く末を真摯に考えるためのヒントが詰まった一冊である。
個人的には、「原発を知るためのブックガイド106選」が充実していて使い出あり。また、明石昇二郎氏の「フクシマ取材で試される報道機関の存在理由」は、その緊急提言部分も含め肯くこと頻りの一稿。
原子爆弾による唯一の被曝国でもあり、原子力の利用については、その怖ろしさを最も知悉し万全の対応をなすべき立場にあった日本。90年初頭におけるバブル経済の崩壊以降の経済低迷が「経済敗戦」であるとするならば、今回のフクシマをめぐる技術的・政治的な悲劇は「技術敗戦」そして「政治敗戦」に他ならない。今や完全にイッテしまったかのようなわが国が、この弱肉強食のグロ−バル経済下において世界中の餌食とならなければよいのだが・・・