この「ギャグゲリラ」(すごい名前だな)という漫画は、
過去の赤塚作品とは一風変わっている。
一つは、特定のキャラクターが少ないということ。
過去のヒットさく、「おそ松くん」や「天才バカボン」のように、
主人公・脇役、といった配置がなく、
その話にあったキャラクターが突然登場する。
(ただ、登場回数が多いキャラは当然存在する。)
二つ目は、作品全体が当時の時事問題を踏まえているという事。
赤塚さんは、若い頃からこうした扱いが巧みだったが、
「ギャグゲリラ」の中では、よりクローズアップされていて、
当時の社会背景や主なニュースを知っていると、余計楽しめるだろう。
(その点はご親切にも、各ページに掲載されている。)
三つ目。作者の赤塚さん自身が述べる通り、大人向けの内容である。
確かに「天才バカボン」も、パパの犯罪が赤裸々に書かれ、
時には社会風刺も含み、大人の情事の話題も出、
そういう意味では子供向きではなかった。
が、子供が読んでも、訳がわからなくても、十分楽しめる傑作だった。
一方「ギャグゲリラ」は、扱う内容がややレベルアップしていたり、
社会的であったりと、ぶっとんだ内容だけでは進められてなく、
無意味に楽しめるギャグではなくなっている。
そしてより露骨に、性も扱う。以上が、ある意味で“大人向け”である。
あの偉大な、赤塚不二夫先生の作品。
そうあるだけで、買う価値が高まるのだ。
「ギャグゲリラ」は十分面白い。
もちろん、以上の内容故に、「天才バカボン」にあるような、
カオスの世界が繰り広げられているわけではない。
その中期あたりの面白さに比べたら、種類が違うと思う。
どちらかというと、冷静な不二夫ちゃんの作品かもしれない。
けど、やっぱり面白い!
買って損した、などという人は、
まず作者への愛情が欠けているのである。