連合赤軍の起こした事件の当時,私は幼児だったので勿論記憶はないのだがこれだけの大きなムーブメントだったのに
私が彼等と同世代になった時,当時の若者達を語る人は不思議な事に既にもうおらず,過去の出来事として忘れ去られていた感がある。
若松監督の名作映画をDVDで観て非常に興味を覚え,様々な本を読んだが「日本語と思えない専門用語」が飛び交うばかりで
「過激過ぎてあまりに現実的でない考え方」にどうしても(何故ここまで極端な結末になったのか)その真意がわからなかった。
しかしだからといって「理解出来ない関係ない」で忘れるにはあまりにも事実は壮絶であり、魂の入った若松作品を観たらとてもスルー出来ず,
個人的にもっと掘り起こして知りたくなった。
今でもどうしても彼等にシンパシーを憶えないし,理解し難い事だらけだがこの本は他の本に比べて著者が非常に客観的に組織の流れを淡々と追っているので全体像が掴みやすく現在連載中の漫画「RED」などに比べると組織の描き方にも偏りがなくスンナリ頭に入ってくる。
山荘総括リンチのハイライトでは何故にあそこまで急激に総括が進んだのか,そこに革命左派を赤軍派の配下に取り込もうろしていた森の思惑があったとか,川島豪を崇拝してた坂口がどうして森の独走を支持して協調したのか,そこに森の川島路線訣別を迫る脅迫めいたものがあり従いざるを得なかった、などの記述があるのでただの集団ヒステリーとしか思えない怖さから一歩先へ進めた気がした。
今の若者や自分の世代を当時と比べて云々言う気はないし,私にはそんな資格もないが元は世の中を良くしたい,という若い純粋な気持ちがどうしてこんなにも変貌してゆくのか、幕末の獅子やオウム信者なんかと比べるのもチョッと違うだろうけど(オウムだったら美人の遠山も妊婦の金子みちよも広告塔として使われてあんな末路は遂げなかったろう)彼等の不器用な真摯さはあまりに痛々しい。元はひとつだった筈の理想が集団になってネジ曲がってゆく様を想像し分析するに適した本である。この1冊で終わりではなくここからさらに掘り下げる第一歩に適した本だと思う。
ただチョッとはしょった部分が幾つもあって詳しい人には物足りないかもなので星ひとつ減点。