連合赤軍事件を理解する上で、関係ある事実を時間経過順に、しかも戦後左翼運動の勃興から事件後の裁判の経過に至るまで整理してあって、非常に分かりやすい。
ただ、気になる点が2点ほどある。
1点目は、登場人物の一部を仮名にしてあるのだが、その表記方法がアルファベットを用いているものと本名を一部変えた日本語表記にしているものがあり、日本語表記の仮名がそれが仮名であると明示されていないため、本書で表記されている人物名がはたして本名なのか仮名なのかが不明確であるということ。
2点目は、事実についての記述が、簡潔な表記であるため必ずしも正確でないものが複数あるということ。
ひとつ例を挙げれば、51ページの米子におけるM作戦についての記述において、「赤軍派のゲリラ隊が、(……)伯備線に乗っているところを全員逮捕。」とあるが、表記のような逮捕がなされたのは実行犯4名のうちの1名だけであり、他の3名はタクシーあるいは乗用車で逃走中に逮捕されている。
これらの点は、本書が単なる読み物、創作であれば問題にもならないのであるが、本書をそのように理解することは編者の意図するところではないであろう。
以上のような点が、星3つ評価の理由である