何といっても響きがいい。一度、声に出してみて下さい。「れんごうかんたいしれいちょうかんやまもといそろく」。官職と名前を並べただけなのに、ある時代に夢見るころを過ごした男のコたちにとってこれほど心地よく響くタイトルはないでしょう。先代の松本幸四郎氏演ずる米内海軍大臣が言うように、それほど「山本」は「司令長官」にピッタリだったのですね。
「百戦百勝不如一忍」。長官が筆勢も鮮やかに揮毫するシーンが心に残ります。元の句はこのあとに「万言不当不如一黙」と続くのですが、「どうしても艦隊(国家)同士が戦わなければならないならば、相手がそれ相応の損害を覚悟しなければならないだけの戦力をこちらも持つ。それによって(日米)開戦を回避する」という長官の信念である戦争抑止力としての「現存艦隊( Being Fleet)」思想がよく描かれています。
公開当時(1968年=昭和43年)レヴュアーは小学6年でした。よくわからない史実描写も多かったのですが、三船敏郎氏が身を包む東宝こだわりの“二種軍装”のカッコよさったら!!!男のコはいつの時代も凛々しさに心トキメくものです。白服のイメージは37年を経た今もなお色褪せていません。
前線視察に赴く長官搭乗の一式陸攻。護衛する6名の零式戦闘機パイロットのひとりには時空を超えてモビルスーツを駆ることになる“シャア大佐”、若き日の池田秀一氏演ずる声の大きな本田三飛曹の姿も...。
12月8日は長官立案・実施の真珠湾攻撃当日。リリースの日がこれほど待ち遠しく思える作品は最近少なくなりました。