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逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
 
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逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー) [単行本(ソフトカバー)]

渡辺 京二
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (58件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,995 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、人間の生存をできうる限り気持のよいものにしようとする合意とそれにもとづく工夫によって成り立っていたという事実だ」近代に物された、異邦人によるあまたの文献を渉猟し、それからの日本が失ってきたものの意味を根底から問うた大冊。1999年度和辻哲郎文化賞受賞。

内容(「MARC」データベースより)

昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え…。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 604ページ
  • 出版社: 平凡社 (2005/09)
  • ISBN-10: 4582765521
  • ISBN-13: 978-4582765526
  • 発売日: 2005/09
  • 商品の寸法: 16 x 11.2 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (58件のカスタマーレビュー)
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166 人中、157人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
この本を読んで、百数十年前の日本の認識ががらりと変わりました。

著者は江戸末期から明治初期に来日した外国人識者の目から、当時の日本人にとってはあたりまえすぎて記録にならなかった庶民の生活の息づかいを浮き彫りにしています。

幸福そうな笑顔、陽気でよく笑う、礼儀正しく親切、おおらかな性、子どもが大切にされている、動物との共生、仕事や生活そのものを楽しむ。こうしたことが、ある一部の地域や階層のみのことではなく、津々浦々、庶民の最下層にまで行き渡っていたことに目を丸くします。

「逝きし世」とは、この輝きに満ちた日本文明が死すであろうことを、西欧文明を持ち込んだ当の外国人識者が、明治初期に既に予見し惜しんでいたということ。墓標として書き残さずにはいられなかったという気持ちがよくわかります。

ところが、読後感は意外に明るいものでした。外の目から見ることで、気にもとめていなかった自分の良さを発見することがありますが、ちょうどそんな感じで、私たちの体の中にまだまだ江戸人の豊かさがあることを見た様な気がします。

文庫としてはかなりボリュームがありますが、証言集みたいなものですから、章ごとに「」部分を拾い読みしていくだけでも要点はつかめます。

常識を覆す良書です。
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137 人中、128人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 若村さき トップ500レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
すでに失われた日本のベルエポックを、外国人の目を通して描いています。

気をつけたいのは、著者が強調しているように、これは普遍的な「日本」論、「日本人」論ではないということです。19世紀(江戸末〜明治中期)の、特定の時代の日本を摘出しているのです。

さらには、当然あるに違いないダークサイドにはあえてふれず、良き面を中心に描いています。これも著者が強調しているところで、「何々について触れていない!」という批判はお門違いなのです。

この時代、人びとが、いかにゆったりと、足るということを知り、幸せに満ちた生き方をしていたか、著者の全面的な共感とともに、私たちも共感し、おもわず涙がこぼれそうになります。しかし、近代化の成功と引き換えにそれは失わざるを得なかったということで、胸がつまる思いがします。
このレビューは参考になりましたか?
52 人中、49人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
著者も述べている通り、異邦人達が好意の色眼鏡を通して見た日本であっても、彼らが強く魅かれた、もしくは自国の文化コードと著しく差異を認めた点こそ、日本の当時の文化を考察する上で重要なポイントだろう、という事なのだが、それが「人々の充足した生活ぶり」だったようだ。

前工業化時代、贅沢品はないけれど、だから日用品を芸術といえる域まで高めていった職人達、山のてっぺんから海まで耕作された田畑、長い唄の合間になされる力仕事、支配者階級(将軍ですら!)非常に質素な着物を着ているくせに、その色柄の趣味が非常に洗練されていた事実。

長らく戦争のない時代であり、工業的な進歩がなかったからこそ、その時代の人々は現代にあるようなストレスや不安から完全に開放されていたように思える。

人口も一定だったから、食物に困るような不安もなく、貧乏ではあるけれど不安もない、これは精神的には非常に楽な生き方だったんだろうなあ。

今の日本が、いや世界の方向性が間違っているとは言いたくないが、しかし本当にこの方向でいいのだろうか、と考えてしまう自分が、当時日本にいた様々な使節団の外国人達と被ってしまうところに何ともいえない感じを受ける。

外人の目を通し、時間軸も越えて自国を見る体験がこんなに面白いんだなあと思える一冊。

喪ったものばかりクローズアップされますが、現代に生きているかつての日本(それを著者は寄木細工に喩えて、ピースは同じでも組みあがっている文明は違うんだ、と言っていますが)を身近に感じられるからこそ、この時間旅行を非常に魅力的にしているとも思えます。
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