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逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
 
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逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー) (単行本(ソフトカバー))

by 渡辺 京二 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、人間の生存をできうる限り気持のよいものにしようとする合意とそれにもとづく工夫によって成り立っていたという事実だ」近代に物された、異邦人によるあまたの文献を渉猟し、それからの日本が失ってきたものの意味を根底から問うた大冊。1999年度和辻哲郎文化賞受賞。


内容(「MARC」データベースより)

昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え…。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。

Product Details

  • 単行本(ソフトカバー): 604 pages
  • Publisher: 平凡社 (2005/09)
  • ISBN-10: 4582765521
  • ISBN-13: 978-4582765526
  • Release Date: 2005/09
  • Product Dimensions: 6.3 x 4.4 x 1.2 inches
  • Average Customer Review: 4.7 out of 5 stars  See all reviews (29 customer reviews)
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55 of 60 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 日本人が気にとめていない日本の良さ, 2006/12/8
この本を読んで、百数十年前の日本の認識ががらりと変わりました。
著者は江戸末期から明治初期に来日した外国人識者の目から、当時の日本人にとってはあたりまえすぎて記録にならなかった庶民の生活の息づかいを浮き彫りにしています。
幸福そうな笑顔、陽気でよく笑う、礼儀正しく親切、おおらかな性、子どもが大切にされている、動物との共生、仕事や生活そのものを楽しむ。こうしたことが、ある一部の地域や階層のみのことではなく、津々浦々、庶民の最下層にまで行き渡っていたことに目を丸くします。
「逝きし世」とは、この輝きに満ちた日本文明が死すであろうことを、西欧文明を持ち込んだ当の外国人識者が、明治初期に既に予見し惜しんでいたということ。墓標として書き残さずにはいられなかったという気持ちがよくわかります。
ところが、読後感は意外に明るいものでした。外の目から見ることで、気にもとめていなかった自分の良さを発見することがありますが、ちょうどそんな感じで、私たちの体の中にまだまだ江戸人の豊かさがあることを見た様な気がします。
文庫としてはかなりボリュームがありますが、証言集みたいなものですから、章ごとに「」部分を拾い読みしていくだけでも要点はつかめます。
常識を覆す良書です。
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71 of 79 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 近代化の成功と引き換えに失ったベルエポックを描く, 2007/2/13
By 若村さき (神奈川県川崎市) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
すでに失われた日本のベルエポックを、外国人の目を通して描いています。
気をつけたいのは、著者が強調しているように、これは普遍的な「日本」論、「日本人」論ではないということです。19世紀(江戸末〜明治中期)の、特定の時代の日本を摘出しているのです。

さらには、当然あるに違いないダークサイドにはあえてふれず、良き面を中心に描いています。これも著者が強調しているところで、「何々について触れていない!」という批判はお門違いなのです。

この時代、人びとが、いかにゆったりと、足るということを知り、幸せに満ちた生き方をしていたか、著者の全面的な共感とともに、私たちも共感し、おもわず涙がこぼれそうになります。しかし、近代化の成功と引き換えにそれは失わざるを得なかったということで、胸がつまる思いがします。
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56 of 63 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 日本史像の再検討を迫る本, 2006/8/14
By jmt01268 "jp" (京都府) - See all my reviews
この本は明治以降の近代化以前の日本社会を、幕末から明治初期にかけて日本を訪れた西洋人の観察記録=文化人類学の検討を通じて、日本社会像に深刻な修正を迫る本となっています。
江戸文明とか徳川文明という日本の伝統的生活様式を生き生きと描いています。「素朴で絵のように美しい国」(上高地など近代登山の開拓者ウェストン)「かつて人の手によって乱されたことにない天外の美」「この小さな社会の、一見してわかる人づき合いのよさと幸せな様子」(明治期の英国商人クロウ)「古い日本は妖精の棲む小さくてかわいらしい不思議の国であった」(『日本事物誌』を書いたチェンバレン)「地上で天国あるいは極楽に最も近づいている国だ」「その景色は妖精のように優美で、その美術は絶妙であり、その神のように優しい性質はさらに美しく、その魅力的な態度、その礼儀正しさは、謙譲ではあるが卑屈に堕することがなく、精巧であるが飾ることもない」(英国の詩人アーノルド)と彼らは記した。阿片の持ち込まれた清代末期の中国のように貧困で退廃した世界を見た彼らは、日本が「男も女も子どもも、みんな幸せそうで満足そうに見える」(オズボーン)「個人が共同体のために犠牲になる日本で、各人が全く幸福で満足していることは、驚くべき事実である」(オリファント)。
こうした描写の日本社会が、苛斂誅求の厳しいとされていた江戸時代の社会像を、日本の歴史像を再構成することを迫っているように私には思えます。
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