18世紀にベンジャミン・フランクリンが考案して以来の通販業界の動向と発展についてまとめた本。新書サイズに長い歴史がコンパクトにつめこまれていて、結構おもしろく読めた。
百貨店の通販、本格的な通販カタログの先駆けともなったディノス、領布会育ちの千趣会、価格破壊を仕掛けたニッセン、女性下着に狙いを絞って一時成功したセシール、読むカタログを作った通販生活、無添加化粧品から始まり健康食品のイメージを変えたDHC、高級志向のライトアップショッピングクラブ、そしてテレビ通販の時代へ。インフォマーシャル、スポット、深夜番組、専用チャネルの登場。ジャパネット、ビリーザブートキャンプのヒット、メーカ直販。インターネットの楽天市場、Amazon、BTOのデル。
本書を読んでつくづく感じたのが、通販の世界というのはメディアの技術革新の恩恵を直接享受できる業界だなということ。活版印刷の普及、鉄道など輸送手段の発展、電話、宅急便の登場、ラジオとテレビ、インターネット、携帯電話。新しい技術が表れるとそれを活かしたビジネスモデルを考える人が登場する。しかも、それぞれのチャネルが競合しあうのでなく、TVショッピングを見ながら携帯で注文するというような相乗効果が生まれる。
その一方で、日本の通販は不信の歴史という側面もあることも指摘している。成長に伴いトラブルも増えているようだ。いろいろな技術が登場したところで、そこには人間がいるということには変わりがない。この本には登場しないが、がんに効くという高価で怪しげな薬やアダルト系の商品も通販の定番だ。「通販の目玉商品の健康器具には、ほとんどといっていいくらいクレームがありません。というのも、効果を確かめる前にやめてしまうからです」というのはちょっと笑った。