20世紀の歴史に一番影響力をもった人物は誰か?
と問われたら、私は、迷わず、ヴィクター・ロスチャイルドであると言うであろう。
その理由はを以下に簡潔に記す・・
1.第二次世界大戦の企画、実行の黒幕だったこと。
2.第二次世界大戦後の世界の構造(冷戦構造)を創ったこと。
3.マンハッタン計画を主導し、ヒロシマ、ナガサキに、種類の違う
原爆を2発投下させた張本人であること。
4.自らが構築した冷戦構造に合わせ、東西両サイド(世界)に、それぞれ、
核兵器、原潜、原子力空母、原発、ウランの独占的に拡大販売を行い、
莫大な上がりをあげ、それをもって世界を支配した。
本書を読めばわかるが・・
この男は天才の中の天才である。しかし、天は二物を与えず・・
しかし、人間としての一番重要な良識、良心、倫理観には、
著しい欠落のみられるおぞましい人格破綻者でもある。
こういった輩が、時として世界を支配し、世界を破壊に導くのである。
彼の支配の方法はいたって簡単である。
1.有り余る金(相手が金に困っていたり借金を抱えている場合は話が早い)を有効に用い隷属させる。
2.ある種の脅し、脅しが効かない場合は暴力を用い、力で隷属させる。
彼は、生物学(これは、人間の生物学的な本性、本能、隷属させる方法等)を
徹底的に研究し、学び、勲章までもらっている。
(これは、博物学、博物館等を造った伯父ウォルターの影響を感じる)
核物理学も、一流の知識と理解を持ち、当時の核物理学者と対等または
対等以上に渡り合う。
そして、驚くべきことに原爆、水爆等の核兵器に対する
具体的なアイデアやイメージまでもっていた。
経済学では、いつも、アポなしで、ケインズを訪問し、
20歳も年上のケインズと対等以上に論じ合ったという。
ただ、抽象的で実践的でない空論的な思考には取り合わず、
ひたすら、現実の世界で何が役に立つのか?
その一点に絞られた探究をしたという。
その辺は、ディズレーリの小説に出てくる
「シドニア」なる人物、
そのシドニアのモデルであるライオネル・ロスチャイルドに
あこがれ尊敬していたという、
ヴィクターならでは、という感慨を私は持つ。
(ライオネルはビジネスライクで、
実践的な商売に関わること以外、
全く関心がないやり手銀行マンだったという・・)
大学生の頃は、学内最高のテニスプレイヤーであり、
また、音楽の才能もありジャズピアノの名手という。
ケンブリッジ・サークルに関しては省略する。
このような、特異の人物に対する文献や記述や著作は
なぜか、驚くほど少ない。
そういった意味で、この本はお薦めである。
ぜひ、購入してほしい一冊である。