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透視も念写も事実である  ――福来友吉と千里眼事件
 
 

透視も念写も事実である ――福来友吉と千里眼事件 [単行本]

寺沢 龍
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

大学を追放された超心理学者・福来博士の悲劇を描いた興味津々のノンフィクション。

内容(「MARC」データベースより)

貞子は実在した! 千里眼と呼ばれた御船千鶴子、長尾郁子、高橋貞子らに超能力(透視と念写)の実験を行い、その科学的解明に一生を捧げた心理学者・福来博士の数奇な運命。

登録情報

  • 単行本: 309ページ
  • 出版社: 草思社 (2004/1/25)
  • ISBN-10: 4794212747
  • ISBN-13: 978-4794212740
  • 発売日: 2004/1/25
  • 商品の寸法: 19.4 x 14.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:単行本
日本における超能力研究の先駆者ともいうべき人物福来友吉、そして彼の研究を巡って巻き起こった「千里眼事件」、といっても明治から大正にかけてのことなので、知らない人の方が多いかもしれない。

でも、鈴木光司の「リング」の中で山村志津子(貞子の母)と彼女の超能力を研究していたT大学助教授伊熊平八郎が超能力の公開実験中に新聞記者たちから「インチキだ!」と糾弾されたシーンを覚えている方はいるだろう。その伊熊のモデルが福来であり、志津子(あるいは貞子)のモデルが本書に登場する御船千鶴子、長尾郁子、高橋貞子である。

本書は、福来が行った数々の実験とその実験を詐欺・インチキだとする学者達、そして当時の世論の動きを、福来や他の学者達の著作や新聞記事を詳細に調べ比較することで、福来の実像とその実験の真贋に迫ろうとしている。また、著者の筆致も冷静で文章も枯れた趣きを感じさせるので、全体としては地味な印象がありセンセーショナルな作品ではない。

しかし、超能力という、信じない人は全く信じないような不思議な能力を学問として研究し、その結果大学を追われた人物を書く手法として文献の比較対象を中心にしたのは成功であったと思うし、本書が読み応えのある作品になった理由でもあったように思う。

超能力を全て信じているわけではない私が、本書を読むことによってその存在を完全に信じることができるようになったわけではない。ただ、しかし、この作品の価値はそこにあるのではなく、福来友吉という一人の学者の実像を描き出すことにあるのだと思う。

本書の題名は、福来が自身の著作のまえがきに記した「透視は事実である。念写もまた事実である」という、彼を非難する人たちに向けての宣言から引用したものである。
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20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シンプル太郎 VINE™ メンバー
形式:単行本
題名から見ると、あやしげな超能力、霊ものという印象があるが、福来友吉と御船千鶴子、長尾郁子をめぐる、いわゆる千里眼事件の詳細な調査を元にしたノンフィクションである。調査はかなり詳しく行き届いており、記述もわかりやすく、興味深い。心理学史として、重要な文献の一つとなるであろう。しかし、この題名を見て、購入する読者の多くがこのようなものを求めているかは疑問である。また、福来友吉について、心理学史の中で興味を持っている人(それほど世の中にはいないであろうが)にとっては、逆に買いにくい、アクセスしにくいものとなってしまっている。売り方や題名をもう少し工夫できなかったのだろうか。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 福来の仕事にはいつも毀誉褒貶(とくに毀と貶)がつきまとっているが、そうした論者が実際に福来の仕事をきちんと調べた上で書いているかというと、そうではないものが非常に多い。そんな中、本書は福来の足跡をたんねんに追いながら、その全体像を誠実に描きだそうとし、その試みはかなりの程度成功している。
 福来の伝記では、山形大学名誉教授・中沢信午の『超心理学者福来友吉の生涯』が、これまでほぼ唯一といっていい信頼のおける著作だったが、内容の充実ぶりは中沢の伝記を大きく上回っている。視点もニュートラルであり、この世界の本にありがちなファナティックな要素はない。福来という人物がどのような人物だったのか、何をやり、何を考えていたのかを知る上で、現時点では最良の著作といってよいと思う。
 ただ、残念な点もいくつかある。ひとつは福来が精根を傾けて探究した空海密教に対する考察が、食い足りないという点(これは福来の論者の共通した特徴でもある)、福来の念写実験の最大の功労者である霊媒・三田光一についての記述が不十分で、彼に対する理解も通り一遍である点などだ。これらは今後の課題だろう。
 ともあれ、本書は、頭から色眼鏡で見られる「超心理学」というジャンルに関する、きわめて良心的でまじめな仕事として推奨できる。
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