2004年発表の「フツウのこと」以来、久々のセルフプロデュース作品。Key・プログラミング・(ストリングス以外の)アレンジは全て自身で。生Dsはなく、お馴染みG・石成氏、B・大神田氏、河野氏がストリングスアレンジでサポートを。彼らはそれぞれに、古内さんのこれまでのピアノ弾き語りツアーに参加してきたメンバーです。僕には、この新作はとてもパーソナルなものであり、“ひとりの女性”としての古内東子を前面に押し出した作品と感じます。
謝辞で彼女は「自分の心と体にもっとも近いところから生まれたアルバムです」と。素直な言葉で恋する素晴らしさを歌う曲もありますが、誰かに恋をして苦しむ自分、誰かの恋心をかなえてあげられない自分、曲毎に行きつ戻りつしながら、どちらにしても心の奥に残る苦い思いが歌われる。「透明」とは、最初からあるものではなく、行きついた果てにこそある澄みきった心の在り様に思えてなりません。
昨年秋のソロで披露した2「Swallow」、歌詞・メロディーのせつなさはハンパじゃない。せつなさは9「蝶のように」でひとしお。7「できない」、こんな風に歌われたら男もつらい・・。10「ear candy」は“ひとり「スロウビート」”の趣き、良いですね。まあ、とにかく、今回ほど歌詞の意味に想いを馳せながら聴いたことは、正直言ってありませんでした。
聴くほどに、違った印象を持つようになる、そんな予感がするアルバムです。