12人の執筆陣はいずれも第一線の研究者。LCDに多用されているITO(Indium Tin Oxide,スズをドープした酸化インジウム)と酸化スズを中心に,物性,材料科学,製法,加工法という広範囲にわたる知見を持ち寄っている様子はさしずめ「学会のシンポジウム」。話題は金属構造を持つITOにとどまらず,アモルファスITO,酸化インジウム-酸化スズ系アモルファス膜など,次世代の導電性薄膜研究の現況にも及んでいる。
それにしてもこの分野の書籍は珍しい。本書とほぼ同時期に発行された『透明導電膜の新展開』(シーエムシー刊),1997年の『透明導電膜の現状と展望』(東レリサーチセンター刊)の2点が目につく程度だが,定価はいずれも5万円超。この価格で総説を編集したのは,さすが学術振興会というべきであろう。 (ブックレビュー社)
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