ものごとに対して、強いこだわりを持ち、自分の意見や主張を明確に
持っている人がいる一方で、実は多くの人は、なんとなく、周りやマス
コミの発信する情報を気にしながら選択し、行動しているサイレント
マジョリティー(本書ではこれらの人のことを「透明人間」という比喩
を使ってあらわしている)なのではないかということを指摘している。
さらに、そういったサイレントマジョリティーの行動特性は、世間の
評価やマスコミの論調はこうだけど、実は「私たちは」必ずしもそうで
はない、あるいはどうでもよかったりするんだということを指摘する。
挙げられている例は宮崎アニメ、キムタクの評価など。
また、昨今「集合知」の有効性、有用性が取り上げられているが、
エッジのきいたアイデアや新商品はこうしたマジョリティーからは生ま
れてこず、一人の賢者によるところが多い一方、多数の意思によって流れ
ができていくことも指摘している。
前作同様「ひそかに共感できる」流行分析のお話集になっていると
同時に、これらの層の思考様式、行動様式を挙げることでヒット商品を
企画するためのヒントが得られるかもしれないというマーケティングの本
のニオイもただよわせています。
前作に比べるとやや密度が薄くなった感は否めませんが、それでも充分
楽しめる一冊です。