ウィトゲンシュタインに何となくの興味はありましたが、難しそうで敬遠していました。
透明標本も、以前から綺麗だなとは思っていたのですが、グロテスクに見えてやはり手付かずでした。
でも二つが組み合わさって少しとっつきやすくなり、
このタイトルとジャケットで即買いでした。
「語ることのできないものについて人は沈黙しなければならない」という言葉と、
沈黙したままの透明な標本写真。巧い組合せを考えたものだと思います。
収録されている言葉は、結構痛いところを突いてきます。
「自分を欺かないことほど困難なことはない」
「罪を負った良心は簡単に告白できよう」
観念的な言葉も多いですが、こんな風に生々しく、人の一面をえぐる言葉もまた多いです。
透明標本は、綺麗だとは思うもののやはり多少グロテスクでした。
でもこれらの言葉と組み合わさると、
グロテスクだからこそ、力強さに繋がるんだと思えてきました。
綺麗なだけではない有りのままの姿、
同じように人間を表した言葉、
それらが持つ力強さの符合。
そして改めて、人間の繊細さや標本の綺麗さが際立って見えました。
どちらの魅力も十分に引き出し合っている組合せです。
これらを組み合わせようという、企画自体が素晴らしい本でした。