三味線・茶道・絵・根付・糸染・女髪結・舞踊と華道−それぞれを趣味や仕事として身につけた女性たちを描いた7編の短編集。
妾に身を落とした娘や、生きるために必死で掴んだ技能や仕事に打ち込む女たち。立場は違ってもそれらを通じて真に自立していく様が丁寧に情緒豊かにつづられている。
なかに先頃朝日新聞に連載されていた「麗しき花実」の登場人物の後日談のような話が2話ほどあったのが、ファンの私には思わぬプレゼントでした。
特にお気に入りは髪結いの弟子となった娘を描いた「細小群竹」。最後の場面は胸がすうっとするような小気味よさ。思わずがんばれと応援したくなる。
乙川さんの作品は最後の文章が実に余韻をもって心に響いてくる。じっくり味わうというのがぴったりの作品集です。