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逆説の日本史 14 近世爛熟編 (小学館文庫)
 
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逆説の日本史 14 近世爛熟編 (小学館文庫) [文庫]

井沢 元彦
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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内容説明

忠臣蔵の虚構と真実を解き明かす

歴史上の事実である「赤穂事件」はどのようにして「忠臣蔵」という「虚構のタイトル」で呼ばれるようになったのか? 「吉良の浅野イジメが作り話なのは会社員の接待の常識からもわかる」「最も基本的な史料である浅野内匠頭の辞世すら最初からなかった」「吉良邸に討ち入った四十七士に死者、重傷者がひとりも出なかったのはなぜか」など、従来の「常識」に真っ向から異を唱える意欲作。江戸庶民の喝采を浴びた赤穂事件の真実に迫る――

内容(「BOOK」データベースより)

江戸時代にあって最も爛熟をきわめた元禄の世(1688年~1703年)は、日本近世史上最大の“大変革”の時代でもあった。今に伝えられる「忠臣蔵」美談創作の裏に秘められた日本人の精神構造の大転換はじめ、21世紀の今を生きる日本人の原像がここにあった。名君綱吉の治世が揺るがした刃傷と仇討ち。赤穂事件が「忠臣蔵」に変移した謎。

登録情報

  • 文庫: 594ページ
  • 出版社: 小学館 (2011/12/6)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4094086021
  • ISBN-13: 978-4094086027
  • 発売日: 2011/12/6
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
井沢氏が生きている間にはてさて、完結するのか気になっている今日この頃、ようやく最新巻。
本シリーズは友人・知人のビジネスパーソンにお勧めしたいのでありますが、毎回なかなか勧めにくい分量であるます。
その中で本巻は是非忙しい&今まで逆説シリーズを読まなかったビジネスパーソンに読んでほしいと思います。

1. 忠臣蔵という日本人に馴染み深いテーマで、「常識を疑う」という所作を学べる
著者は忠臣蔵という我々が幼いころから漠然と慣れ親しみ感動してきた日本人とある意味切っても切れない「物語」が実は様々な思惑の元ねじ曲げられた可能性があることを、その当時の見方、資料をもとに解き崩していきます。ある種、「常識」として刷り込まれた忠臣蔵の真実を、まさしく「炙り出す」所作に、我々は「常識を疑う」という姿勢を学ぶことができます。

2. 「歴史」という視座を学べる
我々が日本史の授業で「生類憐れみの令という悪法、それをつくった徳川綱吉という「バカ殿」と習います。これに関しては、「当時の見方」だけでなく、長い歴史という時間軸から、「生類憐れみの令」という社会的イノベーションを考察します。またこの社会的イノベーションを発生せしめた徳川綱吉という「名君」。彼を「暗君」として歴史で教えている以上、日本に本当の意味での「政治家・リーダー」は現れないのではないでしょうか。

3. 日本のビジネス慣習の原点
まさしく、日本において「日本流資本主義」が芽生えた時代として、三井、住友、鴻池の祖の考察を行います。本書内では使われない言葉ですが、まさしくそれは元祖日本の起業家たちの素顔です。彼らは良い意味でも悪い意味でも、日本の商習慣・商倫理の基礎をこの時代に確立しました。海外でビジネスを行うものとして、一度は「何故日本はこんなに海外で鴨にされるのだろう」と思ったことはあるはず。ここにその原点がある。しかし当時としては、この起業家たちによる「イノベーション」が日本国内のビジネスを一気に加速させたと言えるでしょう。

これらをバランスよく理解できる本書はビジネスパーソンにもおすすめできる一冊です。
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
前巻から1年以上待った本巻。あとがき・年表等を含めると約600頁。第一章・忠臣蔵 その虚構と真実編は約180頁と分量は多いが、本巻は忠臣蔵中心の退屈な巻ではない。第二章は綱吉の政治、第三章は世界最先端だった経済の繁栄をもたらした江戸時代初・中期の大商人列伝、第四章は新井白石までの対中国・朝鮮外交、第五章は琉球王国が薩摩に支配されるまでの対琉球外交を通覧する。

儒学(儒教)、特に朱子学が全章に通底するのに驚く。第一章では、討ち入り後の赤穂浪士の評価を巡って本場中国の儒学と日本化した儒学を対比し、日本化した儒学に従って浪士を義士扱いしたことが、幕末の倒幕運動や二・二六事件に連なるとは目から鱗。綱吉=暗君説を定着させたのは、良性インフレ下の好景気を持続させ、元禄文化の華を開かせた貨幣改鋳を、商業蔑視の呪縛故に批判した儒学者兼政治家・新井白石。第三章はその商業蔑視を克服し、資本主義受容の下地を作った商人の倫理観と相互信頼の形成、そして商人道へと至る日本の道程を説く。第四・五章は、将軍の呼称が大問題となってしまう、儒教一辺倒の国との外交の難しさを知る。

他にも教えられることは多い。赤穂事件について後世の脚色された忠臣蔵に影響されている学者に対し、史料を読んでいないと批判し、その史料から真実に迫る姿勢は合理的だ。また、綱吉は側用人に操られる暗君ではなく、側用人システムは将軍独裁を復活させる発明だとし、将軍のトップダウンの政策で生命を尊重する世の中に変えた名君だと評価する。竹島問題のルーツが綱吉の治世に遡るのも初めて知った。

そして、朱子学=華夷秩序にどっぷり漬かり、自国中心に歴史を歪曲する隣国との真の友好関係樹立の道のりの遠さには、私も「百年河清を待つ」の心境だ。
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本シリーズの中でもかなり中身の濃い14巻は、主に忠臣蔵における謎と綱吉治世におけるシステム、明、朝鮮及び琉球との関係性についてを解説している。

●本来であれば手討ちのはずが切腹処分となった赤穂事件(忠臣蔵)の真相。

●この時代に基礎が出来上がり、現代に通じる外交スタイル。そして領土問題。

●琉球、島津、家康の外交における狙い。幕末へ続く系譜。

「歴史は点ではなく線で見る」
「現代に通じる「常識」を疑い、当時の視点に立って『真実』を明らかにする」
というのが本著作を貫く大きなのテーマでもあるが、その視点が遺憾なく活かされ、
考察することができるのが本巻であるといえるだろう。

他の巻を読んでいなくても、是非多くの方に読んでいただきたい内容である。
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