シリーズ6巻目であるが、ここでの見どころは1-3章の仏教に関する解説だろう。現代に於いてここまで簡潔に、しかも深く仏教を初学者に説明出来る歴史家は日本にいないのではないか。特に、現代仏教に直接影響を及ぼした鎌倉時代の新興仏教の成立と、その背後にある歴史については、知的好奇心を揺さぶられ、大いに納得をした。
これ以外にも元寇の行われた背景と、その当時の鎌倉幕府の対応などは、ほとんど初めて知る内容で、とても興味深い。
本書は文庫本で500ページを超える大作で、しかも内容が、「仏教」、「元寇」、「鎌倉幕府の滅亡」と3つの独立したモノがまとめられているため、一気に読み切るのには骨が折れるが、それでも、これらのテーマはこの巻において説明されなければならなかったのだ、と読み終わると気がつくはずである。