本書は、新進気鋭の政治哲学者が著した大変読みやすい政治哲学の入門書です。
抽象論に走ることなく、常に具体的な問題と絡めながら代表的な政治思想家の思想を紹介しています。
副題に「正義が人を殺す時」とあるように、人間はある価値を追求すれば、他の価値を犠牲にせざるをえないように出来ているようです。
本書を通読しての感想は、「人はまさに矛盾を生きる存在である」という事でした。
デモクラシーを推奨する思想家よりも、寧ろデモクラシーに批判的で独裁を擁護するような思想家の方が、魅力的であるのは何故でしょうか?
そんな事を考えさせられる本でもあります。
「政治」というよりは、人間存在そのものの矛盾を解き明かすような、素晴らしい思想・哲学入門の書といえるでしょう。