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逆説の政治哲学 (ベスト新書)
 
 

逆説の政治哲学 (ベスト新書) [新書]

岩田 温
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商品の説明

内容紹介

今日本に必要な思想とは何か。アリストテレス、マルクス、ヒトラー・・・数ある偉人たちの名言から、国家再建のための神髄を紹介。巻末に佐藤優の解説収録。

内容(「BOOK」データベースより)

「正義を実現しようとする人は、無自覚のうちに『ファシズムの罠』に絡め取られてしまう―」先人たちの思想がもたらした光と影。

登録情報

  • 新書: 284ページ
  • 出版社: ベストセラーズ (2011/7/9)
  • ISBN-10: 4584123349
  • ISBN-13: 978-4584123348
  • 発売日: 2011/7/9
  • 商品の寸法: 17.6 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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34 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By zin
本書は、新進気鋭の政治哲学者が著した大変読みやすい政治哲学の入門書です。
抽象論に走ることなく、常に具体的な問題と絡めながら代表的な政治思想家の思想を紹介しています。

副題に「正義が人を殺す時」とあるように、人間はある価値を追求すれば、他の価値を犠牲にせざるをえないように出来ているようです。
本書を通読しての感想は、「人はまさに矛盾を生きる存在である」という事でした。

デモクラシーを推奨する思想家よりも、寧ろデモクラシーに批判的で独裁を擁護するような思想家の方が、魅力的であるのは何故でしょうか?
そんな事を考えさせられる本でもあります。

「政治」というよりは、人間存在そのものの矛盾を解き明かすような、素晴らしい思想・哲学入門の書といえるでしょう。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
思想の扉 2012/2/5
・全体像
政治思想がもたらした、知られざる歴史の真実

【岩田 温】
秀明大学助教授。専攻は政治哲学。
新鋭教授が送る、政治哲学の世界をつくったあらゆる古典書に手を伸ばし、
わかりやすい解説を簡潔に施した一冊。
さらに短い紙幅をカバーし、さらなる深い理解のために現代日本でも手にはいる
訳書を数多く紹介。

・感想
ここまでさまざな古典に風呂敷を広げておいて、それをみごとにまとめ上げる技量
を持った方がいるとは驚きです。
プラトン・キケロ・ヒトラー・マルクスなど有名ながら難解な書を残した人物たちを
10Pに及ばない評と解説で、初めての方にも慣れ親しんだ方にも納得のいくものを
作り上げ、さらに興味を持ったり、物足りない方のために良書を紹介するなど
心憎い配慮もされています。

唯一の欠点を挙げれば、この一冊だけであらゆる哲学書に手を伸ばす機会が与えられ、
財布が非常に軽くなることぐらいでしょうか。
正直、感服いたしました。

・抜粋文
特攻隊【安達卓也尊】遺書
「あとに続くを信ず」とは、単に死を決して戦う者の続くことを信ずるのではなくして、
特攻隊の犠牲において、祖国のよりよき前進を希求するものにほかならない。
このレビューは参考になりましたか?
27 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書を通読しての第一の読後感は、秀明大学で岩田氏に政治学の講義を受けている学生はどんなに幸せであろうか、という事であった。

人間は正義と公正を実現しようとしながら、最も残虐な政治を理想主義の旗のもとに実行する。
自らの属する集団を熱烈に愛する人々が、他者の集団に最も残酷に襲いかかる。
政治とは、最も人間存在の矛盾した側面が明らかになる、人間の行動領域である。

筆者はこの事を熟知した上で、集団としての人間がいかに愚かであり、いかに進歩しない存在であるかを教えてくれる。
政治について真面目に考えたい全ての人々に是非、読んで欲しい好著である。

筆者は大学の先生らしく、親切に、各節の終りに、「発展的に読書する為に」と題した参考文献をあげている。
これらの文献を読みながら、仲間で議論する機会があれば、それは言葉の原義における最高のシンポジウムとなるだろう。
ちなみに、「シンポジウム」とは、元のギリシャ語では「一緒に一杯呑む」という意味だそうであり、酒杯など酌み交わしながら、岩田講師の説に耳を傾け、更に参考文献を読みつつ、侃々諤々の議論を交わすことが出来れば、それは最高の政治学の授業になるだろう。

私自身も、詳しくは知らない政治思想家が本書では取上げられており、今後、私自身の大学での講義で、大いに参考にしていきたいと思っている。

岩田氏の問題意識は、常に現実的であり、例えば、カンボジアのポルポト革命を考える為に、メッテルニヒの思想を論じ、ツゥキディデスの思想を論じながら、靖国神社論争を論じている。
筆者の思考は、抽象論の為の抽象論ではなく、常に具体的な問題と結びついた思想であるところに本書の誠に優れた点が存在する。

著者は、常に日常の問題に根差しながら、正確に、そして普遍性をも考慮しながら、政治現象の本質に迫っていこうとしている。
その知的誠実さと概念的思考の能力に敬意を表したい。

振り返れば、ここ何十年か、日本では、「“保守”対“革新”」という概念的枠組みがきわめて曖昧に使われてきた。
この結果、今や「保守」が何を意味し、「革新」が何を意味するのかすら曖昧になってしまった。
平成23年3月11日以降、「日本の保守とは、原子力発電所や東京電力を保守することである」と迷言する者まで出る混乱状況となっている。

思えば、明治維新とは決して「保守」ではなかった。
幕末における「保守」とは、現体制の維持であり、即ち、徳川幕藩体制を維持することであった。
これに対して、「維新」とは、現体制を否定し、日本古来の国体を復古し、実際の政治経済の運営においては、最も革新的な社会改革を行うことであった。
単純化して言えば、維新とは、保守ではない。
維新とは、革新的復古であり、復古的革新であった。

日本国の国体、即ち、天皇陛下のもとに国民が団結し調和して暮らすという国の形、これを復古し、その他の社会運営の技術においては、西洋近代を見習い、文明開化をすること、これが即ち「明治維新」というものであった。
国体という最も重要な国の形さえ守れば、他はすべて革新の対象となるものである。
否、日本国の存在を脅かす植民地主義的西洋列強の圧力から日本国の国体を守る為にこそ、様々な社会的革新は成されなければならなかったのである。

今日においても、第二次世界大戦後の現体制を保守することが、本来の保守ではないし、自民党体制を保守することも、まして東京電力を保守することも、本来の保守では有り得ない。
保守するのではなく、寧ろ、復古し、より鮮明にすべきは「国体」のみである。
国体の永続を図る為にこそ、革新が必要なのであり、革新すべき対象は、国体をないがしろにした現体制である。

維新とは、保守的革新であり、革新的保守のことである。

このような本質的な事柄について、著者の岩田氏は熟知しているはずであり、既に氏が公にした『日本人の歴史哲学』に基づきながら、自著においては日本政治を貫く維新の思想について論じてもらいたいと期待している。
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