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従来の研究アプローチに対して問題点を確認し、あるべきアプローチ方法を説明すると言うスタイルなのだが、分かっていて出来ないという事が多いのに気づいた。持論に固執して、その中で解決策を探そうとするあまり狭視野になっているのだとすれば、本書のような試みは大いに意義がある。
現実の世の中で上手くいっていない部分は、多かれ少なかれ専門知識を持った人達によって運営されている。もし彼らのアプローチが本書の事例にあるような旧弊で現実を御し得ないものなのであれば(きっとそうに違いないが)、本書で提案している発想で改善して貰いたいところだ。理論で終わるのであれば先達と同じなのだから。
経済、あるいは生物系という複雑系は、多重化されたフィードバックによって全体の調整がなされている。特定の構造にだけ注目し、それを反応させることで、系全体を制御しようという試みはうまく行かないことが多い。
とはいえ、例えば人体はフィードバックだけで構築されるものではなく、その前提には当然各種器官の存在がある。逆システム学は従来の構造を否定するものではないが、構造だけに注目するのではもはや全体を制御するには足りない状況が生まれているという認識を示す。
逆システム学提唱の前提には、逆システム学的方法論による旧来の方法論に対する批判があるわけで、それは本書において経済学と生物学における最新動向の紹介とそれに対する反省としてあらわれる。あらたな方法論に対して批判的な読者であっても、ここに書かれた現状分析には共感するものがあるだろう。
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