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逃亡 (文春文庫)
 
 

逃亡 (文春文庫) [文庫]

吉村 昭
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

見知らぬ男から受けた好意の代償に、軍用飛行機を爆破させられて脱走し、戦後も長くその身を隠し続けた一少年整備兵の恐怖と苦悩にみちた日々を描く力作長篇小説
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

軍用飛行機をバラせ…その男の言葉に若い整備兵は青ざめた。昭和19年、戦況の悪化にともない、切迫した空気の張りつめる霞ヶ浦海軍航空隊で、苛酷な日々を送る彼は、見知らぬ男の好意を受け入れたばかりに、飛行機を爆破して脱走するという運命を背負う。戦争に圧しつぶされた人間の苦悩を描き切った傑作。

登録情報

  • 文庫: 253ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2010/9/3)
  • ISBN-10: 4167169487
  • ISBN-13: 978-4167169480
  • 発売日: 2010/9/3
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 73,243位 (本のベストセラーを見る)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By shunp
形式:文庫
 霞ヶ浦海軍航空隊に所属していた若い整備兵・望月幸司郎。外出先から隊に戻る際、最終列車に乗り遅れ激しく動揺していたとき、助けてくれたのが山田だった。年長の山田に親しみを抱き、信頼を寄せるようになった望月に、山田は航空隊が管理している落下傘を持ち出すよう頼んできた。ためらいながらも山田の求めに応じた望月だったが、それが大きな事件へと発展し、望月は“逃げる立場の人間”へと追い込まれていく。

 吉村昭がいくつもの作品でテーマとした“逃亡”。この作品はその第一作と言えるもので、逃げる男の心理を、戦争という暗い存在とともに巧みに描いて、読者を離さない。

 本作品の主人公は実在の人物で、吉村からの取材をきっかけに、長く封印してきた自分の過去に向き合い、それを公表するに至った。また、その様子はドキュメンタリー番組としても取り上げられたという。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
逃げるというよりは、選択肢がない道行きの様。舞台は終戦前後だが、今の私たちの暮らしにも似ていないか。被災地岩手県で思う。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 蘇冬
形式:文庫
脂ののった頃の吉村先生の作品です。
ある元日本兵の証言を元に小説が展開します。
しかし、著者の作品に共通することですが、そこには必ず著者の視点が入っています。
ノンフィクションンの先駆けとなった「戦艦武蔵」でも、吉村先生は「これで小説になる。」という
素材の核を握って書かれています。
太平洋戦争(大東亜戦争)の真っただ中、世界でも極めて排他的な日本社会に、鬼畜米英の間諜(スパイ)が
存在していたことに、少々びっくりしましたが、ゾルゲ事件などをみてもそれは当然かと思いなおしました。
しかし、当時の一般の人間には想像もできないことだったでしょう。
その罠に主人公ははまってしまいますが、驚くのはその後の主人公の生き抜く「力」です。
私なら絶対に捕まって白状しているよなぁ、と思うような状況でも、主人公は生きていきます。
その旺盛な、ある意味獣じみた「生命力」を吉村先生は描きたかったのか、とも思ってしまいました。
今の日本人にはこの「生命力」が薄れたと思います。そして、その生きる「力」を無くした現代日本人の
すぐそばにも「謀略」は常にあるのです。

2010年9月24日、準大手ゼネコンの社員が「うかつにも」中国政府に拘束される事態を引き起こしました。
私の感想は「飛んで火にいる夏の虫」でした。危機意識がなく、おまけに生き抜く力もなくした現在の日本人は
どこに行くのだろうか、と思いながら読み終えました。
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