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逃亡〈下〉 (新潮文庫)
 
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逃亡〈下〉 (新潮文庫) [文庫]

帚木 蓬生
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

敗戦とともに、お国のための「任務」は「犯罪行為」とされた。国家による戦犯追及。妻子とともに過ごす心安らかな日々も長くは続かなかった。守田はふたたび逃亡生活を余儀なくされる。いったい自分は何のために戦ってきたのか。自分は国に裏切られたのか。一方、男の脳裏からは、香港憲兵隊時代に英国民間人を拷問、死に至らしめた忌まわしい記憶が片時も離れることはなかったが…。

登録情報

  • 文庫: 587ページ
  • 出版社: 新潮社 (2000/07)
  • ISBN-10: 4101288127
  • ISBN-13: 978-4101288123
  • 発売日: 2000/07
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
戦犯-すごく重いテーマを扱った本書は、文庫本上下巻1200頁(原稿用紙2000枚)の長作である。にもかかわらず、寝る間も惜しいくらいぐいぐい惹きつけられ、読了。

戦犯、憲兵、特高なんて極悪人としか思ってなかったけど、本書を読み、戦争の勝敗により線引きされ、追われ、不当に裁かれ、彼らにも非はあろうが悲しい運命に翻弄された戦争被害者でもあると感じた。

著者の父がモデルとゆうこともあってか、主人公の苦悩の姿および生への渇望が克明に描かれ、小説を読むとゆうより、まるで主人公を上から見ているような感じがした。 逃亡の日々や心情が縷縷つづられているためもあってか、逃げてほしいと願わずにはいられなかった。

月並みだけど、戦争の悲しさを感じずにはいられなかった。

ふと思う。戦争はおわってないんだと。 内紛や時々起こる戦争では、戦火の悲惨さもあるけど、市民はもちろんのこと、いわゆる加害者(でも被害者)も苦しみをかかえているだろう。 さまざまな思惑で戦争や内紛が勃発する影で、苦しむ人々がいる限り、戦争は終わらない。

レビューがうまく書けないけど、すこしでも本書に興味を持った方は、ぜひ読まれることをおすすめします。 感想は人それぞれでしょうが、早く読みたいと思う気持ちには共感していただけると、明言させていただいて。。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By "c4g"
形式:文庫
塩野七生氏の著作の一つである「サイレント・マイノリティ」という言葉が、本書を読んでいる間に何度も頭に浮かんだ。主人公の母トメのように気丈かつ声高に彼を擁護する人物も登場するが、妻子は生活を必死に維持することで彼を支え、逃亡を助ける元同僚の多くは自らが犯した「罪」をどう理解すべきか苦しみながら、決して声を上げることはない。それは、戦中の軍隊組織や戦後の反論が許されない世情に表される、常に現実から逃避していた当時の日本社会によって沈黙せざるを得なかった人々の姿である。

レビューのタイトルは、本書の終盤で主人公が戦犯とはいかなる存在か、あるいは自分が犯したとされる罪状の根源を振り返る場面の一文である。巣鴨の独房でこの結論に至った人物が本当にいたかもしれな!い。だとすると、終戦から半世紀以上を経た現在でもこの文章で表せる社会とは、一体何を成し遂げたと胸を張って言えるのだろうか。

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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
戦争中憲兵(特高警察)として香港で厳しく治安維持にあたっていた主人公が敗戦後一転して戦犯に指名され、その理不尽さゆえ中国大陸から日本、そして日本各地を逃亡するという、文庫版で上下合計1200ページの大作でした。

97年の作品で柴田錬三郎賞を受賞しています。

原爆を投下して罪もない一般の人々を何十万人も殺したアメリカが罪を問われず、上官の命令で対日不満分子をはからずも手にかけてしまった者が、敗戦国ということで指名手配される。

作者はその不公平さ、理不尽さから戦争の愚かさを訴えているように思いました。
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