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逃げる
 
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逃げる [単行本]

J・P・トゥーサン , 野崎 歓
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

メディシス賞受賞! マリーとの愛の終焉は?
『愛しあう』の続編。新たに描く「愛の終わり」。パリから上海へ飛んだ「私」は麻薬取引に巻き込まれるが、一方マリーの父親も急死。エルバ島で再会した二人のセックスは互いの溝を埋めずに…。

内容(「BOOK」データベースより)

「ぼく」を乗せた3人乗りのバイクは建設現場となり東洋的混沌極める北京の街路をパトカーに追われて疾走する!!終わらせようとしても、終わらない愛の物語『愛しあう』の続編。2005年度メディシス賞受賞作品。

登録情報

  • 単行本: 192ページ
  • 出版社: 集英社 (2006/11/24)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087734528
  • ISBN-13: 978-4087734522
  • 発売日: 2006/11/24
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 524,884位 (本のベストセラーを見る)
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Mlle C
形式:単行本
訳者あとがきに「トゥーサンの作品にとって《逃げる》は特別な意味を持つテーマだった」
とある。
まさにその通りで、この作品はトゥーサンの全ての小説の結末というような印象を受けた。
『浴室』ではベネチアへ旅立つことで自らの恐れるもの
(溶け合えないもの、危険なもの=死)と一度は向き合うものの、
結局逆戻り(後戻り?元通り?)になり、またも逃げてしまった。
一方『逃げる』では、北京という異空間に自分を置くことで
恋人の父親の死から逃げていた。

だが、『逃げる』の結末は、違う。

自分がトゥーサンで涙を流すとは夢にも思わなかった。
『逃げる』の最後の2ページのために、私はトゥーサンのこれまでの作品を
読んできたのだと思った。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tartsn
形式:単行本
この作品を読むと、二つの感情が交互に襲ってきます。

ひとつは緊迫した、現実味あふれる生々しさ。実際に体験したものが、体験したまま書き綴っているかのような強烈さがある。

それでいて読み進むうち、全てが幻であるかのような危うさを感じさせてくる。

読むたびに読者を揺さぶる、驚くべき小説です。
このレビューは参考になりましたか?
形式:単行本
 「愛しあう」の続編。と言っても、時間軸は過去に遡る。相変わらず主人公の名前も職業も、北京でのスリリングな逃走劇はなぜ起きたのかもわからない。「ぼく」は一頁目から“それをくわしく説明するつもりはない”と断言する。

 そしてそんなことは、小説にとってさして必要なかったのだとすぐわかる。北京へ向かう夜行列車のトイレでの謎の女リー・チーとの抱擁(彼女の体にぴったりと張り付いたビュスチエを引っ張って脱がせようとすると長い髪に静電気を帯びてくっつき“ぼくの指先にも静電気が走って、まるで鉄条網に触れたような感覚に打たれた”)、そこにかかってくるパリのマリーからの電話(何万キロも離れたパリの午後のマリーの声は“無限の大地、田園や草原を越え、地球上に広がる夜の闇や、色彩のグラデーション、シベリアのたそがれの薄紫色や東欧の都市を染めるオレンジ色を越えて”届いた!かつてナボコフが自伝で黄揚羽についてそっくりの描写をしたのを思い出す)、北京のボーリング場でレーンを滑走するボール、何百もの赤いランタンや紙でできた灯籠の灯る夏の夜の闇を駆け抜ける三人乗りのバイク、一転して地中海に浮かぶエルバ島の真昼の人けのないホテルの中庭の離れ、沈欝な鐘の音、扉のぎしぎし鳴る教会でのマリーたったひとりでの葬儀……山の切り立った傾斜面に沿った、人のいない夜の海(そしてマリーの涙……塩からいキス……「愛しあう」の読者はもう知っている。今や壊れそうなふたりを繋ぐキスすらままならないことを……)それで十分だ。

 「浴室」以来のファンは、あの軽妙な語りくち(本人いわく“心理描写は一切抜き”)のトゥーサンがなぜこんな胸の疼くリアルな恋の終わりを描くようになったのか、驚く。しかし、124頁からの、旅について(あるいは人生について)の一節を読めば、そこにヴェニスに旅しつつ全く観光をしない「浴室」の主人公の未来の姿を見るのだ。
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