敗戦後の国民にはいろいろな立場があっただろうし、価値観そのものがでんぐり返しの状態だから、生きていくためにはさまざまな手段や、自分への裏切りもあったのだろうとは、思う。奇麗事ではすまない時代であることも承知の上で読んでみたが。
どうしてもこの姉妹に感情移入ができなかった。彼女たちの生き様は、心のなかの琴線にわずかなりとも触れなかった。
世界中いたるところにいる幼い少女たちの、いつか命を奪うエイズのことを心配するより、餓えた家族のために体を売る、という哀しい明快さにはかける言葉もないのだが、この姉妹の生き様を「痛快」だと言ってしまえない自分がいる。
特攻隊の生き残りの青年の心の闇も葛藤も、届かなかった。
読み方が浅いといわれればそれだけだが、あの時代のたくましさや、闇や、野卑、庶民の智恵も夢も絶望も…この姉妹の理知やたくましさやらとは段違いのレベルではないだろうか。