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退屈の小さな哲学 (集英社新書)
 
 

退屈の小さな哲学 (集英社新書) [新書]

ラース・スヴェンセン , 鳥取 絹子
5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

北欧の静かなベストセラー、ついに日本に登場!
ノルウェーの若き哲学者が、現代人の誰もが感じる「退屈」について、文学や哲学、映画など様々な文献を駆使して考察。ドイツやフランスでも評判になり、世界15カ国語での翻訳が決まった話題作。

内容(「BOOK」データベースより)

人はなぜ、退屈することがあるのだろうか。どうして、自らの意思で退屈したり、また上手に退屈を乗り越えたりすることができないのだろう。現代人のほとんどが、退屈や倦怠感の経験を持っているにもかかわらず、ハイデッガーなど一部の哲学者をのぞいて、これまで真剣に考えられることは少なかった。本書は、広く一般の人向けに、哲学、文学、アート、心理学、社会学などさまざまな分野の文献を参照しながら、退屈という身近で不思議な現象をしなやかに探究していく。

登録情報

  • 新書: 240ページ
  • 出版社: 集英社 (2005/4/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087202909
  • ISBN-13: 978-4087202908
  • 発売日: 2005/4/15
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
ノルウェーのベストセラーなのだそうで、世界15カ国以上の国々で翻訳出版されたということだが、抽象的な概念用語と日常語との乖離のある日本語に訳されると、原文の平易さはかなり割り引かれてしまう。ある程度近代哲学(ことに現象学)の基礎的な知識がなければやや難解に思われてしまうかもしれないが、本書は学術的な体系的記述を目指したものではなく、「退屈」の主題を「近代」という時代に固有の歴史的な問題として捉え、さまざまな視点から省察したエッセーであり、日本のベストセラーになる新書によくある大人が子供に言い聞かせるような不自然な「平易な文章」ではなく、友人の手紙のような「くつろぎ」のあるしなやかな文章が清々しく、やや難解に思われるような箇所も、じっくり考えながら読むことで(辞書などを引きながら)、深い思索への端緒を開いてくれることだろう。
本書は4つの章に分かれている。まず第1章では本書で扱われる「退屈」の主題の大枠を「近代」という歴史的概念の上に設定する。第2章ではそのような歴史意識をロマン主義という哲学・美学上の概念から根拠づける。第3章はドイツの哲学者マルティン・ハイデガーの退屈に関する現象学的分析を検討し、「退屈」を乗り越えようとする哲学的試みの陥穽を指摘する。第4章では、ではわれわれは如何にして「退屈」に接すればいいのか、を考えている。この章は題して「退屈の倫理」とされている。
著者の態度は基本的にカント的なもので、問題に対して解決を与えるのではなく、問題を通して人間の限界を見出そうとする。伝統的な意味づけのシステム(ここではキリスト教の神)が崩壊し、人間が自分自身でおのが生に意味づけを与えなければならない近(現)代の状況のなかで、過度な「意味の欲求」が、生を「退屈」か「面白いもの」かの絶対的な二者択一に追い込んでいく傾向を指摘し、小さな事件の連続としての、退屈とともにある小さな生を肯定する態度を、ごくつつましやかに主張している。その主張はきわめて凡庸なものだが、しかし過剰な情報と変化にまみれた現代を生きるわれわれにとっていまや退屈がひとつの「贅沢」であるとさえ思われるほど生きるのに忙しい昨今、このような小さな生の肯定は必要なものであると思う。
また、この本では哲学・思想はもとより文学・映画などにいたるまで非常に多くの作品が引用、分析されており、「退屈」の主題をめぐるアンソロジーのような体裁にもなっており、巻末の300におよぶ注釈も充実していて、そういう面でも非常に楽しめる内容になっている。難点を一つ指摘すると、訳者による解説がないので、著者に関する詳しい情報や本書が上梓されベストセラーとして受容された状況といったようなことがまったくわからないということで、翻訳書としてはちょっと不親切ではなかろうか。とはいえ、こういった翻訳ものの哲学的エッセーを単行本ではなく新書で出してくれたことは非常にありがたい。
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 文章であらわすのが難しいような事柄を、すらりと文章にしてしまっている。「退屈」という心理現象が、特に近代以降人の心に急速に浸食していく、「自然の成り行き」をいろいろな切り口から明らかにしてくれます。こうしてもらうことで、「現代」に生きる私たちは、他の時代に生きるよりも比較的退屈しやすい理由が、徐々に明確になっていくという仕掛けです。
 「退屈」は社会的・文化的問題だけれども(もしちゃんとした「意味」を個人にもたらせるような「社会」なら、そこに生きる多くの人が退屈したりするはずがないから)、この問題に本当に取り組めるのは「哲学」だという、哲学者としての筆者の自負には共感するところがたくさんあります。
 が、筆者がいちおう提唱してる「解決策」の方はというと、納得するのがやや難しい。スヴェンセンは、人生に大きな「意味」をもたらしてくれたものを、失いつつある私たちは、社会がお節介にも与えてくれる加工してくれた「意味」に振り回されず、自分独自の「ささやかでもユニークな」生活に、多く光を当てるように自助努力せよと提唱しているようです。しかし、その「ささやかな光」がそもそも「薄いスープ」みたいなものに感じられるから、人はそれに期待しきれないのでは?という気がします。
 まったく同じようなテーマで最近刊行された『「ロボット」心理学』では、この問題の「心理学的側面」だけを取り上げていますが、この「退屈の小さな哲学」では、社会的視点と哲学的視点(ほとんど宗教的な場合もあり)が多く、心理的な切り口が少なすぎるような気がします。でなければ、星五つです。
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形式:新書
本書は退屈について哲学している本です。退屈について興味あるからといって簡単に読める本ではありません。哲学についての本を読みなれている人で、退屈について興味がある人は勧められる本です。私は、本書を読んでもぜんぜんわかりませんでした。

日本語訳された本書は、フランス語訳された本を日本語訳にしたということらしい。できれば、原書を翻訳してほしかったなあ

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