ダーク・ファンタジーTRPG「深淵」の背景世界における深い部分をテーマとした深淵ファンにとっては必須のサプリメント。読み物としても面白い。三部構成である。
●第一部:追憶の書。深淵世界を知られざる神話と歴史といった雄大な「時間」で描く。深淵世界における人の子の敵であり影の主人公ともいえる「魔族諸侯」とその帝国についての知られざる情報とデータが提供される。魔族諸侯となって神々やその眷属と戦うルール「剣の帝国」や魔族の回想の言葉だけで人間の寿命が吹き飛ぶ「言葉の罠」などの追加ルールもある。また各種魔道書の設定もいいシナリオ・アイディアとなるだろう。
●第二部:旅人の書。深淵世界を「空間」の広がりで描く。深淵世界におけるプレイヤーキャラクターのホームタウンとして使える大都市メジナとそれがある地域「中原」、そしてさらにそれを取り巻く他の諸地域の設定が紹介される。また中原に点在する太古の古代遺跡についての設定紹介と古代遺跡に関連したシナリオ「月光ニ巨大ナル双魚ガ泳グノ事」もある。深淵世界の行事をまとめたカレンダーもあり異世界として土俗的なの雰囲気が感じられよいシナリオソースになるだろう。ただ地域の紹介などは少し大味であり、実際にTRPGの舞台として使用するには少し手を加える必要があるかもしれない。
●付録:コンパクトにまとめられたルールリファレンスと各種チャートがあり重宝する。