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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
主人公たちは・・・。しかし一読の価値有り!,
By
レビュー対象商品: 追伸 (文春文庫) (文庫)
私にとって子供と見に行く映画「ドラえもん」の脚本家としての印象の強い著者。こちらのレビューを拝見し、初めて著者の作品を手にした。 現代を生きる悟と美奈子と、美奈子の祖父母の二組の夫婦の手紙のやりとりで全編が展開されている。 手紙という形式をとっているせいか やさしく品のある言葉遣いで綴られている。 始めは「???」の部分も読み進めるうちに明らかになっていき、一気に読まされてしまった。 悟も祖父も互いのパートナーに対しどこまでもあたたかく そして優しい。心一杯 相手を想う。 特に祖父は 漆黒の夜空に澄み渡った朗月のように祖母の心を照らし、支えていこうとする。 男性である著者が描いた2人の男性主人公は ある意味女性の理想像とも言えるであろう。 それに対し、女性陣の行動がいささか共感できない。 美奈子が離婚を切り出した理由もしっくりこない。 何より祖母が事件前に取った行動そのものが理解できない。 なぜそこに走ってしまったのか。それが「業」というものなのか、私にはわからない。 結果、女性陣の心の奥底に寄り添うことができなかった。 しかしながら 手紙という手法のみでここまで読み手を惹きつける手腕はさすがである。 一読の価値はあると思う。読まず嫌いは勿体無い。 文庫化され、購入しやすくなった今、読もうかどうか迷っていた方も読んでみたら如何だろう。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
往復書簡が織り成す物語,
By 芽生 (新潟県新潟市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 追伸 (文春文庫) (文庫)
物語は破綻寸前の夫婦の手紙のやりとりから始まります。二人の出会いからこれまでが手紙のやりとりから 少しずつ明らかになっていきます。 この途中に女性の祖母の過去の物語が挟まれ 祖母と孫のあいだの悲しい因縁がわかります。 愛するだけでは愛にならない、相手を大切にするとは いったいどういうことなのだろうかと 考えさせられました。手紙のやりとりというと宮本輝の錦秋が有名ですが こちらも違う形としておすすめです。
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
男女の心が一番ミステリアスかも。,
By
レビュー対象商品: 追伸 (単行本)
真保さんの最新作は、全部手紙、という形式にチャレンジした意欲作。手紙文学といえば古くはアメリカの「足ながおじさん」、国内だと 宮本輝の「錦繍」も有名ですね。「錦繍」は、別れた夫婦が再会後に 手紙のやりとりを始める話でしたが、この「追伸」は、妻が夫に 離婚を切り出す手紙から物語が始まります… ギリシアに造船の仕事のためにひとりで赴任した山上のもとに あとからついてくる予定だが交通事故で怪我をしているために 日本に一人残っている妻・奈美子から長い手紙が届く。 中には離婚届が同封されていた…納得できない山上は、別れる気は無いし なぜそうしたいのか理由が判らないと返信する。しかし妻の決意は固い… 最後に、奈美子が、自分に似ているという祖母と祖父が50年前に交わした 手紙のコピーを山上に読んで欲しいと送ってくるところで第一章が終わっている。 第二章は、その手紙のコピーを、主人公とともに読者も読むことになる。 奈美子の母方の祖母・春子が夫(祖父)と交わしていたのは、 殺人容疑で逮捕され拘束されていた春子と、彼女の無実を信じてひたすら 救おうとする夫の一途な愛情のあふれる手紙。しかし、春子は、夫にもいえない 殺人よりも知られたくないある秘密を抱えていた… そして、祖父母の手紙から色々感じるところのあった孫娘の奈美子と夫の山上が お互いに手紙の感想などを送りあう第三章で物語はしめくくられる。 全文手紙、ということで、テンポよく読めます。美しい祖母とその祖母に似た娘の、 美しく生まれてもなかなか幸せになれない不器用な生き方も丁寧に描かれていますが、 そのふたりの間の奈美子の母が、容貌は醜くないのに外見に無頓着に生きてきた 理由が後半で明らかになり、なるほど、と思い、印象に残りました。 真保作品の男性は、前作の「最愛」のときも思ったけど、 とてもよくつくすタイプの(女性から見て)都合のいい男タイプが多いような気がします。 それに対して女性は結構わがままだったり図太かったり生命力が強くてしたたか。 そんな2組の男女の時代を超えた心のすれ違い、愛のかたちが解き明かされる、 広く深い意味でのミステリーです。 前作の「最愛」では成功していると言い難かった真保氏の「ミステリーと恋愛を 盛り込んだ長編」という試みは、今回は重厚な読み応えと、この男女はどうなるのか、 という緊張感があって、なかなかうまくいったのではないでしょうか。 手紙形式なので細かく読むのもじっくり味わえていいかもしれませんが、謎を味わうには じっくり一息に読むことを個人的にはお薦めしたい所です。
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