冷めきった調査データの山と、身も蓋もない結論のオンパレード。そしてそれだからこそ階級社会化する日本における家族の変化を見通す最適の一冊となっています。「パラサイトシングル」「希望格差」といった分かりやすいパラフレーズには冷徹なまでに情緒を排したデータの裏づけがあるということ。世間一般で消費される過程で否応なくマイナスのバイアスをかけられていますが、山田氏の著作を読めばそのようなことはなく、単に事実を著述しているにすぎないことが分かります。少子化、晩婚化について若者の価値観の変化を面白おかしくそして悲嘆や怒りをこめて現代社会批判を繰り広げるのもいいですが、端的に労働形態の変化が負け組みの固定化をもたらし、結婚も子どもを育てることも二の足を踏ませているだけにすぎないという現実を直視した上で(そのような社会にしたのは誰なんですか?)恥じることなく同じような床屋談義ができるとすればたいしたものです。