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「犀川・萌絵」シリーズや「V」シリーズなどの作品で、独自の本格推理小説の世界を構築してきた作者による、書き下ろし長編小説。以前に上梓された『女王の百年密室』の続編である。本書を手にする前に、あらかじめ前作を読んでおいたほうが、より深くこの物語を堪能できるだろう。
現代より1世紀ほどの未来。主人公でジャーナリストのサエバ・ミチルと、パートナーのロイディが今回訪れるのは、海原に浮かぶ城塞都市「イル・サン・ジャック」だ。一夜にして海に取り囲まれたという伝説があるこの街は、女王メグツシュッカのもと、外部との接触をほとんど拒否している謎めいた街である。宮殿を取材で訪れたミチルたちの前で、僧侶クラウドの首なし死体が発見され、ミチルが犯人と疑われてしまう。
今回の舞台となる城塞都市も、美しい女王が統治する平和で豊かなユートピアだが、同時に中世のイメージ漂う閉塞した世界でもある。しかし前作といささか趣が異なるのは、殺人事件そのものはあまりストーリーの根幹に関わらないといった点だろう。それよりはむしろ、都市自体を動かす社会システムの秘密や、「肉体と精神の関係」といったような哲学的なテーマがこの物語を色濃く覆っている。殺人事件の真相も、そしてミチル自身の秘密もその延長上で静かに語られ、やがてその謎が解き明かされていく。すべてが白日の下にさらされたとき、この作品を単純にミステリーと呼んでいいのか。形而上学的な内容と雰囲気、そしてそれらを形作る透明で詩的な文体が、読み終わった後にそう問いかけてくる。(文月 達) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
出版社 / 著者からの内容紹介
アキラの足跡を辿り、孤島の要塞イル・サン・ジャックにやって来たミチル。そこで出会った女王は!? 森博嗣の女王シリーズ、コミック化第2弾!
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
周囲の森が一夜にして海と化したという伝説を持つ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだった―。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧侶の死体、犯人と疑われたミチル、再び消えた海と出現した砂漠。謎に満ちた島を舞台に、宿命の絆で結ばれた「女王」とミチルの物語の第2章がはじまる。
内容(「MARC」データベースより)
一夜にして森が消え、周囲が海になってしまった伝説の島・イル・サン・ジャック。ミチルとロイディがこの島の宮殿を訪れた夜、曼陀羅の中で僧侶の首なし死体が見つかる。いったい誰が頭を持ち去ったのか? 書下ろし長編。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森 博嗣
1957年愛知県生れ。’96年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1957年愛知県生れ。’96年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)