花も嵐も、勢いで読者も乗り越えてきた『迷い猫オーバーラン!』もついに完結。
今回のイラストレーターは”みつみ美里”で、この名前を見たのは本当に久しぶりだ。
旧アイデスのグラフィッカーで、バキバキに硬い線を描く人だったが、ずいぶん柔らかい線も描けるようになったものだと感心しきり。
イラストレーターの変更は決まっているのだからいまさら文句は言うまいが、少なくとも最初から彼を持ってきていれば、もう少し反発は少なかったのではないかと思う。
(ただこの表紙は文乃とは思えないな)
内容に特筆すべきところは特に無いいつものオーバーラン。
「完結編を書くのだ!」言う作者の気合みたいなものは感じるのだが、気合はあっても「広げすぎた風呂敷を畳むこと」が如何に困難なことなのかを、後世に残すだけの作品と堕してしまったのはやはり本人の不徳と言うべきであろう。
巧の相手はだれなのか?
これは一巻のときから読者が気にしている最大の問題で、それを見届けるためにここまで読んできたといってもいいだろう。
私は「巧には文乃こそ相応しい」と思っている人で、作者が読者に対して納得できる理由を提示することができれば、他のキャラクターでも祝福は出来るつもりだったのだが…『選択無し』ってどういうことだろうか?
これはあまりに酷く、擁護することは出来そうに無い。
巧の相手方を気にして購入を考えているのであれば、それは無駄だから買わないことをお勧めする。
出来れば最終巻だから星五つを付けたかったがそれは無理そうだ。
イラストレーターに星二つ、それに作者の気合に星一つの合計三つがギリギリだ。