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迫るアジア どうする日本の研究者 理系白書3 (講談社文庫)
 
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迫るアジア どうする日本の研究者 理系白書3 (講談社文庫) [文庫]

毎日新聞科学環境部
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

技術立国、日本の科学力が危機に瀕しているアジア諸国の工業製品は、世界中でシェアを伸ばしている。シェアを落とし続ける日本製品はどうするか! 人材を活かさなかった日本は、将来に向け何をはじめたか

内容(「BOOK」データベースより)

二〇〇六年、中国人研究者の発表論文数は米国に次いで世界二位となった。引用された論文数や引用回数では、まだ日本が多いものの、理学分野では抜かれるのも時間の問題だ。工学分野においても、韓国をはじめとする電機メーカーに、シェアで抜かれている。日本人研究者は、今何をすべきなのか。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/1/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062762579
  • ISBN-13: 978-4062762571
  • 発売日: 2009/1/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.2 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By しば
形式:文庫
1章や5・6章ではiPS細胞やナノテク、ものつくり技術などの日本にとって非常に明るいテーマを挙げているが、
2〜4章では日本が欧米、さらには中国・韓国・シンガポールなどのアジア諸国に比べて科学技術に対する政策のまずさが挙げられ、
特に中国や韓国への人材・技術流出に関しては非常に残念に思った(サムスンの躍進には日本人が助力してたことを初めて知った)。

P208に
「資源に乏しい日本も、科学技術の政策を誤れば国が傾くというくらいの危機感を持つべきでではないか」
とのコメントがあるが、確かにその通りだと思う。
技術流出に対しては本書で肯定的な意見も述べられているが、やはり国際競争力の低下を招くので、日本の今後にとって好ましくないと思う。
技術が流出しないよう、優秀な人材は退職後も囲い込むよう国や企業がもっと努力すべきではないのか。

ちなみに、私の身近にも某国立大学理学部の修士課程を出たが結局学んだことを活かせずに塾講師をしている友人がいるのだが、
博士課程を出ても就職できない人たちがたくさんいるという話を聴き、
理系人材を活かしきれていない日本の現状は非常に勿体無く思っていた。
日本の政治家や国民は、もっと理系教育や研究、理系人材の活用にさらなる理解を示すべきではないかと思う。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By t_tt
形式:文庫
『事業仕分け』で研究者たちが意見,提言を次々と出している現状において,この本は改めて素晴らしい本だと思います.

この本を読むと,なぜ「科学技術予算を削るとまずいのか?」がよく分かります.
特に3〜5章の「人材を生かさない日本」「進む道を見失った日本の戦略」「日本は反撃できるのか」は,今の『事業仕分け』の結論(予算縮減,廃止)が何故まずいのかを明らかにしていると思います.5章に地球シミュレータの話があり,ここで記されている成果を読めば,次世代計算機の予算が縮減されると,将来の日本にどのように悪影響を及ぼすかが推測できると思います.

『事業仕分け』で研究者が大きな問題としているのは「次世代計算機」よりもむしろ「若手研究者支援」の方です.昨年,4人の日本人ノーベル賞受賞者が現れましたが,受賞対象の研究は20〜30代で行ったものです.世界的に名を轟かせる研究は,大御所の研究者ではなく,フレッシュな頭脳を持った若手研究者のもとになされる事の方が非常に多いのです.ところが若手研究者は現在,安定した生活基盤を確保する事が非常に難しくなっています.大学教員の任期制導入が一部でしかなされていない事,大学院定員増によりある分野では優秀な研究者を大学院で育成したものの,その受け皿が用意しきれていない事など,マスコミではなかなか報じられない問題が,この本では詳細に記されています.私も一応,理系の若手研究者と呼ばれる位置に居り,今回の『事業仕分け』で来年度の契約が立ち消えになるという恐怖を抱えております.

目先の「子ども手当」「高速道路無料化」に目を奪われて,5年,10年,あるいはもっと先を見据えた日本の国家戦略を見誤らないよう,なぜ科学技術が日本で重要なのかを理解する上で,理系白書 この国を静かに支える人たち (講談社文庫)「理系」という生き方―理系白書〈2〉 (講談社文庫)と併せて読まれるとさらに良いと思います.
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形式:文庫
本書は、日本の自然科学教育・研究の現状をルポした理系白書3部作の3作目で、iPS細胞が生まれる過程など現在の日本における自然科学研究の現状に焦点を当てた作品だ。

具体的な数字やインタビューを示し内容に説得力があるのは、1・2作目と同じである。

本書によれば、日本の自然科学研究は、政府からの支援事業で失敗が多かったり、日本人研究者や技術者(以下、すべて自然科学)が海外に流出したり、様々な問題を抱えている。本書は研究者の比較的待遇の悪い研究環境や、政府からの支援が十分でないことを批判的に記述する。

まず、政府からの支援も、応用研究への支援もかなりあるようだが、そもそも研究は成功する確率はかなり低いのではないか。1万分の1とか(私は数字を全くしならいので専門の方教えて下さい)。であれば失敗が多いことは当たり前であるし、また、研究ではむしろ失敗することが大切だとの考え方も多い。だから、政府からの支援が失敗することは本当に悪いのか、という疑問があるが、だからといって失敗ばかりで許されるというわけではない。

このように政府からの支援の理想的なあり方を探るのは難しいが、私は、同じ失敗でも基礎研究であれば、内容をオープンにできるので失敗も受け入れられやすいように感じる。であれば、政府からの支援は基礎研究に限った方がいいと思えるが、詳しい方教えてください。

つぎに、本書は、そもそも日本人研究者や技術者が海外へ流出(進出?)することは悪いことなのか、良いことなのか、についての議論を軽く見ている。つまり、本書のインタビューでもしばしば触れられているように、日本人研究者や技術者が世界へ進出することは、むしろ日本の国際的な評判を高めるものとして、好意的に捉える考え方もある。

だからと言って、すべての技術や研究をオープンに出来るわけではない。基礎研究であれば日本企業の利益への直接的な貢献度はかなり低いのでオープンにできるが、応用研究や技術であれば日本企業の利益への直接的な貢献度はかなり高く、それが盗みやすいものであれば、なおさらオープンにできない。

本書にもあるように、技術や研究をオープンにすることは世界経済に貢献するという意味でも、技術や研究がより洗練されるという意味でも、必ずしも悪いことではないし、むしろ良いとさえ言える分野もある(例えば、次を参照『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』)。

したがって、今後日本にとって問題となるのはオープンにする研究技術の範囲なのである。

なお、本書は、こういった面白い問題を再確認させてくれるが、本書の論調は、政府からの支援の失敗や研究者の海外進出に否定的である。端緒はそこにあったのかもしれないが、私はこのレヴューで指摘した通り、大切な論点はそのそもそも当否にあるのではないか、と考えるので、評価はマイナス1の4とした。
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