<近代 modern>の概念を、思想家の議論からてつ決するのではなく、人類の歴史の中に、生活形態の推移を共同体と個人の範疇に分け、その過程と空間に形成される<公 public>と<私 private>の概念と空間、その中間に形成される<親密圏>との関係を、道徳秩序を基軸に方法論を設定して分析し、構造化して説明する。近代はモノ的実体を形成し得ないが故に、想像的な社会形象そのものなのであり、人類が共有することなくして、社会が存立し得ない特殊な創造物である。その摩訶不思議な存在を見事に説明している。
テイラーの卓抜な議論に目から鱗の議論である。時間軸の設定と共同体における人間行動の意義付けを構造化しながらの分析は、18世紀に確立して近代の時間意識を形成する<超場所性>と宗教あるいは神話における時間軸の差異を説明することで、成功している。そして、公共概念は政治的外部に形成されるという指摘と分析が、公私概念の枠組みを見事に与えている。
相変わらず卓抜な分析に脱帽である。