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近代美学史―近代美学の三期と現代美学の課題 (岩波文庫 青 637-3)
 
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近代美学史―近代美学の三期と現代美学の課題 (岩波文庫 青 637-3) [文庫]

ディルタイ , 澤柳 大五郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 96ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1960/8/25)
  • ISBN-10: 4003363736
  • ISBN-13: 978-4003363737
  • 発売日: 1960/8/25
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 純丘曜彰 教授博士 VINE™ メンバー
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現代の美学には、大きく2つの流れがある。プラトン美学系と芸術社会学系。後者は、事実上、ヘーゲルが分岐点と言ってもいい。やつは美の話を、受容する社会の側に反らしてしまった。クローチェを経て、ガダマーや受容理論、カルチュラルスタディースへ繋がる。だが、これは、支流だ。

ディルタイは、ヘーゲル派美学を嫌い、丹念に哲学の中に潜んできたプラトン美学の流れを追い、近代の経験主義や合理主義の中に、その伏流を見つける。美の感動は、感覚の快ではなく、感性(当初は「趣味」と呼ばれた)の領域の喜びだ。それは、たんに世界と審美者の調和であるばかりでなく、真であり善であるものが感性そのものを高めてくれる喜び。そして、この発想は、ショーペンハウアーやニーチェとともにガダマーへ、美と実存の関係へと流れ込む。(興味深いことだが、美の本質に関しては、ハイデッガーとガダマーでは、大きな断絶がある。)

とにかく、ディルタイの目配りは驚異的だ。多くの近代哲学者の感性問題を概括するとともに、芸術家もまた実践的な美学の探求者として、この鳥瞰の中に取り込んでしまう。ヘーゲルのような浮ついた牽強付会を排し、思想学的な見地から感性の領域を確立する。

まさに現代美学の礎となる書だが、さて、この文庫、いまのどれだけの人が読めるのか。訳者の澤柳大五郎は、成城学園を創った明治の偉大な教育者、澤柳政太'カの息子で、美術史家の大物、後に東京教育大、早大の教授。だが、この翻訳当時(1943)は、弱冠33歳。父親の薫陶か、わかりやすい美文で仕上げられている。とはいえ、戦前の漢学の素養があって当然の時代。歴史仮名遣いだし、副詞がことごとく漢字のままで、ひらいていない。「頗る」「夫々」とか、読める? そのうえ、哲学用語も、いまのものとかなり違う。経験主義が「実験主義」、合理主義が「唯理主義」、哲学史の方で理解があれば、訳語の当て方もすぐに推察できるのだが、美学しかやっていない人には、まったくとりつく島もあるまい。いっそドイツ語の原文の方が楽かも。だけど、この美文、かっこいい。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 大絶画 トップ500レビュアー
 「美学」というとマニアックな学問という印象を受ける方が多いだろう。本書の序論でディルタイは美学と公衆の関係を修復することが現代美学の課題であると述べている。
 そして本文自体も近代美学史について過不足なくまとめられている。
 本書を契機に美学に触れてみるのもいいだろう。
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