本書の対象期間は約30年であるが、日清戦争を契機に清国への列強による対外進出が増え、その後の
辛亥革命を経て清朝が滅亡し、中華民国が成立した時代でありまさに激動の時代である。
本書は、あとがきに著者が述べているように、同時代を革命の時代としてのみではなく、政治、経済、
文化を含む、「連続性と変容を含む歴史過程」として描き出している。これだけの内容を約240頁に
まとめあげた著者の努力に敬意を表したい。
留学生や教科書など、教育にからんで日本との交流についても手際よく整理されており、その後の
辛亥革命に至る経緯も鉄道国有化問題とからめて記述するなど、類書ではあまり触れられていない
ことも多く、非常に参考になった。
この時代は、ロシアもロシア革命によって、ツァーリの専制が打破されるなど、国際社会も大きく
変容した時代である。次の『革命とナショナリズム』を続けて読むことにより、今日の中国を理解
するうえでも役にたつことが多いと考える。