この本は、イギリスに関する最新の研究動向を踏まえ、さらに、グローバルヒストリーと多面的な視点からイギリスの歴史を考察するという視点で書かれた優れた概説書である。直前に出版された『イギリス史研究入門』と比べると、19世紀の記述についてはこちらの方が明らかに優れている。本としての性格上、参考文献は『イギリス史研究入門』の方が詳しいので、まずこの本を読み、それから『イギリス史研究入門』で参考文献を調べるという読み方をするといいだろう。ナショナルトラスト、フェアトレードとオックスファムについての記述がないのは残念だがイギリスの歴史に関心を持つ人には必読の書である。