小生は、数ある第二次世界大戦の名機のなかでも自分の体型とよく似ているせいか、ずんぐりむっくりしている旧日本海軍のインターセプター(迎撃戦闘機)の『雷電』と、少年時代に読んだ千葉てつやの戦記漫画のテーマ機であった『紫電改』に特別な感情をいだいている。それだけに、本書によって、『雷電』のスタイルがなぜあのようなスタイルになったのか、あるいは『ゼロ戦』と『紫電改』という名機の狭間で終戦をむかえた『雷電』の悲運、さらには『雷電』誕生の為に犠牲となった人々、特に、国内の生産力不足を補うために台湾から強制連行されて高座海軍工廠において『雷電』生産に従事させられた台湾人少年工員達の悲劇的な実態を知るに及んで、ますます『雷電』に対する特別な感情が高まった。
本書は、単なるインターセプターとしての『雷電』としてだけでなく、短くも数奇な運命をたどった『雷電』と共に生きた人々とその時代に光をあてた『雷電』ファン必読の書として推薦する。