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だからかもしれないけれど、本書のエッセイは「どれもこれも『分量的に』中途半端だなあ」というのが最初の感想だったと思います。
あるものは「おい!」と思うくらいに短いし、あるものは「う~ん」と思うくらいに長く感じます。
にも関わらず、僕はこの本の中の短編を数回読み返しています。
今回本書を通読したのは2回目なんですが、この本のすごい所は、あの頁・あの文章と、「パラパラと読み返してみようかな」と思って、本を手に取らせる力を持っていることだと思います(なんだか夏目漱石の『読書論』みたい)。
今ぱっと思いつくものは2つ(2つも!)
メキシコ旅行の『「ここでは誰も言葉の響きというものを理解しないのだ」という認識。』の一下り。
ノモンハン編の「どんなに遠くまで行っても、いや遠くに行けば行くほど、僕らがそこで発見するものはただの僕ら自身でしかないんじゃないか」この2箇所。
当然前後に文があるからこの文が出てくるのだけれど、この文はそれぞれに僕をひきつける力を持っているような気がするし、(なぜか?)何度となく頁をめくって、この箇所に行き当たっているという不思議な『引力』のあるものです。
この本を読んだほかの人も同じような『引力』を感じているのだろうか?というのが、この本に対する僕の疑問でもあります。
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