■アジア各国の「社会起業家」最新7事例を追い、
彼らが実現した驚異のビジネスモデルに迫るビジネス・ルポ。
「電気、水、教育、医療……。
我々が当たり前と思っていることは、本当に『当たり前』なのか?」
途上国では、水道や電気など我々が国家や自治体に頼っているようなものですら、
自分たちで解決しなければ永遠に解決しません。
「電気」がないということを正しく想像できるでしょうか?
灯りがなければ、すべての仕事――家事を含む――を陽が沈む前に行う必要があります。
ですがそれは、働く時間を奪い、収入の減少、すなわち貧困につながってしまいます。
しかし、この問題を解決できるイノベーションは、すでに生まれています。
「ソーラーランタン」
太陽光発電の小さなパネルと、LEDランプからなる小さなランプで、太陽が照る場所なら、送電線も発電設備も必要なし。
100年待っても送電網が整わないような辺境の地で生み出された、技術の新しい可能性。
このような現場で生まれる創造力は、我々の想像をはるかに超えています。
本書では、アジア各国の現場を実際に取材し、ビジネスモデルを分析します。
■アジアの最果てで見た、
「村の起業家」という可能性と、社会起業家の新しいカタチ
「2009年の夏。僕はカンボジアの最北部ストゥントゥレン州にいた――。」
10年以上、起業家の支援を続けてきた著者の加藤さんは、
2009年、カンボジアで、読み書きのできない女性をシルク職人として自立させるためのNGOを運営する、
チャンタという女性と出会います。
カンボジア難民として育ち、大学に行くことも、ましてやビジネスのトレーニングなど受けたこともないにもかかわらず、
どれだけ絶望的な状況に追い込まれても、絶対に「あきらめない」。
そんなチャンタの姿に、加藤さんは強烈な「起業家精神」と可能性を感じます。
「もし彼女のような起業家が途上国に無数にいるとすれば、
もし彼女が例外ではないとすれば、世界はどう変わっていくのだろうか」
その疑問を確かめるための旅で加藤さんが見たのは、
現地で奮闘する人々が、「問題の当事者」だからこその創造力を発揮して、問題を解決していく姿であり、
彼らがうまく問題に立ち向かうための仕組みづくりに徹している社会起業家の姿でした。
本書に登場する起業家は、こう言います。
「本当に持続可能なモデルは、現地の当事者を主役にしたモデルだ」
■イノベーションの火種は、
「何もない」からこそ、生まれる
監修者として本書に序文、解説を寄せてくれたのは、
「社会起業家」というコンセプトを日本に広めた立役者の一人、井上英之氏。
その井上氏が注目したのも、「問題の当事者」が持つ「創造力」でした。
「先進国の課題解決のヒントは、途上国の現場とそこで奮闘する当事者たちにこそある。
『底辺のクリエイティビティ』とでも言うべき、大きな力を