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特に,就農支援機関(農業改良普及センター,新規就農相談センターなど)に就農を相談する際の心得やテクニックは一読の価値があります。このほか,経営計画の立て方,土地の取得方法,農業機械やビニールハウスなどの賢い設備投資方法,農村社会独特の慣習への対処方法,独自の販売方法等の実用的な知識が満載されています。
世に就農を勧める本は多数ありますが,たまたま成功した個別事例を列挙しているのがほとんどというなかで,就農までの過程やその後の生活を冷徹に示し,対処法を客観的に述べた本書の価値は高いと思います。そして,著者は我が国の農業を巡る情勢が混迷している現在でも,農業・農村に希望や誇りを持っていることが本書からひしひしと伝わってきます。
本書はその垣根を払う好著である。
筆者は農家に生まれ,大学では経済を学び,経営コンサル会社に7年勤務した後に農業に入った。
農家の言葉と町の言葉の両方を熟知しており,就農の方法論の中にお互いの深層意識と行動の解説が的確に織り込まれる。
町勤務から就農を考えている人は,考えの具現性をはかるのに有用だろう。
農業をしようと思っていない人でも,知的関心を満足させられることは間違いがない。
そしてなによりも,筆者の農家経営への誇りと楽しみが文章からあふれており,心地よい。
就職マニュアルは数あれど,農林水産業に関して,具体的に
「思い立つ」と「仕事にする」
を繋ぐ書物は少ない。
林業,水産業でも類書が発行されることを期待する。
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