第二次世界大戦中の日英商船喪失量を比較すると、
■イギリス --- 11330総トン 2426隻
■日 本 --- 8430総トン 2568隻
となっている。
また、ヨーロッパ戦線に於ける一隻当たり最悪の犠牲者を出した商船はドイツのもので、9331名という記録がある。ちなみにその三位まではドイツが占め、犠牲者数は6666名、5594名と続く(日本の最悪のケースは4999名)。
日本が海上輸送を軽視していたことは、いろいろなところで指摘されているが、他国に於いても安全な商船の航行というのは難しい問題だったのだと思われる。
しかし、ヨーロッパ戦線に於ける一隻当たりの犠牲者数の八位までが四桁なのに比べ、日本の場合は30位でも1428名なので、兵員輸送に貨物船を使ったことからしても、その人命軽視の姿勢は著しかったと言わざるをえない。
輸送船一般を論じている部分だけでなく、詳細に記された、日英独の輸送船が遭難したいくつかの具体例も非常に興味深い。