上は比較的ゆっくりなテンポで話が進んでいきましたが、「下」は違います。
(史実上知られているので問題ないかと思いますが)
「下」の焦点、“芹沢暗殺”に向かって話が進んでいくからです。
この物語における近藤は比較的影が薄く、土方が糸里に話す内容で「なぜ芹沢暗殺に新撰組が動いたか?」という大事な内容がすべて話されてしまいます。
また、その話された内容がぼかした書き方なので、ここは「読者が想像して補完する」ところなのだと思います。
ただ、作者からの回答は病身の沖田の独り言の中に入っていますのでそれは注目です。
この物語のクライマックスは二つ。
'@芹沢暗殺の直後、土方に向けて放つ糸里の言葉
と、
'A殿の御前での糸里の和歌と、それを見事にくみ上げた殿の采配
に尽きるのではないでしょうか。
物語は常に女性を中心に語られています。
そこから汲み出されるような気持ちがそこかしこにあるストーリーでした。