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輝く日の宮 (講談社文庫)
 
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輝く日の宮 (講談社文庫) [文庫]

丸谷 才一
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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第31回(2003年) 泉鏡花文学賞受賞

出版社 / 著者からの内容紹介

女性国文学者・杉安佐子は『源氏物語』には「輝く日の宮」という巻があったと考えていた。水を扱う会社に勤める長良との恋に悩みながら、安佐子は幻の一帖の謎を追い、研究者としても成長していく。文芸批評や翻訳など丸谷文学のエッセンスが注ぎ込まれ、章ごとに変わる文章のスタイルでも話題を呼んだ、傑作長編小説。

登録情報

  • 文庫: 288ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/6/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062754347
  • ISBN-13: 978-4062754347
  • 発売日: 2006/6/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 0.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
メインテーマは源氏物語の幻の一章ですが、ほかに奥の細道もあり、宮本武蔵もあり、日本文学(史)に興味のある人にとっては楽しみの多い一冊です(逆に、文学の成立裏話やトリビアに興味のない人だと読み飛ばしてばかりであまり楽しめないかも)。

私自身は前に中央公論社からでた、大野晋との対談「光る源氏の物語」を読んでおなじみの説が素材だったこともあり、わりとぐいぐい読み進められました。氏の軽妙な語り口にして博覧強記なエッセイがそのまま長編小説に引き延ばされた感じで、ファンなら夜更かし覚悟です。小説の構成上、いろいろな仕掛けがあって、途中から読み返したくて落ち着かなくなります。

ここで源氏物語に興味が出たら、上記「光る源氏の物語」(文庫もあり)がおすすめです。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By かつき VINE™ メンバー
形式:文庫
2003年泉鏡花賞受賞作。

『源氏物語』には「桐壺」と「帚木」の間に、「輝く日の宮」という巻

が失われているという学説があります。『源氏物語』は長編小説とし

て、そのあとの巻との整合性が欠けているのです。この巻には光源氏と

紫の上のとの一度目の情事、朝顔の姫の登場、六条御息所との関係のは

じまりが書かれているとされています。

そのようなことがどうして起きたのか、ということを女性研究者が解い

ていく小説。文学的な謎を、史学的にも考察し、さらには平安時代への

想像力を働かせます。

この女性研究者は19世紀日本文学が専門なのですが、『古今集』巻

19の伊勢の歌の「つくるなり」の文法上の正しさから本意を指摘した

り、芭蕉の東北への旅の目的を明らかにしたり、「日本の幽霊」のシン

ポジウムに出席したり。専門外での活躍とその学術研究結果が優秀とい

う、ユニークさ。

ところが自分の領域を冒された研究者にしてみれば、おもしろくない。

公開シンポジウムでほかの研究者とやりあう様は読ませます。人のゴタ

ゴタがおもしろいのと一緒ですね。

また彼女の父親が日本生活史研究者であり、彼からの学会での姿勢や、

研究の方法論などの指南があり、研究者としての丸谷才一を感じます。

さらに彼女が中学生の頃に書いた新左翼との恋愛小説や、実際の恋愛を

絡めながら、源氏の謎を解いていきます。小説としての楽しさは円熟の

筆で読ませるのはあたりまえ。研究の楽しさ、奥深さも堪能できます。

すっかり「輝く日の宮」存在説支持派になりました。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
読書の楽しみを満喫できました。既成の文学史を斬新に切り開いていく知的冒険も楽しいですし、その眼目『源氏物語』の、失われた巻「かがやく日の宮」の謎解きというのは、それだけで十分エキサイティングです。
しかし、この小説の一番の魅力は、古典に関する教養を添え物とした、現代恋愛模様だと思います。長良という男性がいいですね。なんとも光源氏っぽい。安佐子とのやりとりも、どこか王朝風味を感じさせます。文体もいい。肝心なところは、ちらりと描写するだけで、あとは読者の想像にまかせるような書き方は、余韻があってとても品がいいです。
謎解きは、『源氏』をモチーフにし、雰囲気も、『源氏』をイメージにし、文体としても『源氏』を倣っている。そんな感じです。
計算されつくした、品の良い、そしてとても官能的な作品でした。
勿論、計算されつくしてはいながらも、それを超える余剰にあふれた作品です。
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