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輝く日の宮 (文芸第一ピース)
 
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輝く日の宮 (文芸第一ピース) [単行本]

丸谷 才一
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

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   前作『女ざかり』から10年ぶりの刊行となる丸谷才一の『輝く日の宮』は、『源氏物語』の1巻として実在したかもしれない「輝く日の宮」成立の謎をめぐって展開する文学史小説である。

   物語の主人公は、江戸後期から明治までの19世紀日本文学を研究する杉安佐子。安佐子は元禄文学学会で、芭蕉の出立の理由を御霊信仰と結びつける新解釈を専門外の立場から示し、学会の重鎮の反発を買う。さらには『源氏物語』には、光源氏が藤壺と最初に関係する情景をつづった幻の1巻「輝く日の宮」が存在したが、紫式部の雇用主であり批評家でもあった藤原道長の命によって削除されたとの説をシンポジウムの場で唱え、ライバル心を燃やす女性源氏研究者との間に軋轢(あつれき)が生じる。想像の翼を自由に羽ばたかせ独自の論を展開し、閉鎖的な学会の制度と果敢に闘う安佐子の研究生活と彼女の私生活に密着した物語が主要な部分を占める。

   全体は7つの章から成っている。安佐子の将来に微妙な影響を及ぼす、彼女が中学時代に書いた泉鏡花ふうの短編小説がまず提示される。その後の章では通常の三人称小説の形式に加え、作者らしき語り手が登場したり、年代記ふう、戯曲形式などバリエーションに富んだ語りの形式によって物語が語られていく。章ごとに異なる語りの趣向は、小説という表現形式(内容)そのものに対する根源的な「批評」になっている。

   物語の終盤、自然教育園の森にたたずむ安佐子の脳裏に、「輝く日の宮」をめぐって対話する紫式部と藤原道長の姿が浮かんでくる。千年の時を往還して安佐子と紫式部というふたりの登場人物は一体化し、「輝く日の宮」そのものが復元的に提示される最終章へとつながっていく。

   作中で安佐子が『源氏物語』の特徴として指摘する、作中人物間や出来事の決着がつかないまま物語が閉じられるオープン・エンディングの手法が、この作品にも採用されている。物語の結末は、読者の自由な解釈と想像に委ねられている。本書は、国語教育や学会の現状に疑義を呈した批判の書であり、推論と考証に裏づけられた画期的な源氏論であり、歴史と虚構を融合させた知的エンターテイメント作品であり、小説という形式によってしか表現できないフィクションの領域を可視化した、つまりは小説の小説性そのものを作品化した究極の「小説」である。(榎本正樹)

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第31回(2003年) 泉鏡花文学賞受賞

内容説明

源氏物語を巡る、10年ぶりの書き下し小説美人国文学者が水の会社の役員との恋愛を経ながら、失われた源氏物語の一章の謎を解く。6章全てを異なる形式、文体で描き日本文学の可能性を極限まで広げた傑作

内容(「MARC」データベースより)

源氏物語を巡る、10年ぶりの書き下ろし小説。美人国文学者が水の会社の役員との恋愛を経ながら、失われた源氏物語の一章の謎を解く。6章全てを異なる形式、文体で描き日本文学の可能性を極限まで広げた傑作。
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