彼女がその表情をもっとも愛した時、つまるところ事実があらかじめ抱いた印象と一致した時、あるがままの神秘。
感情のひな型と、感じたいという欲求の間にある緊張。聴き手が自分自身に投影する個人的な願望と衝動の間にある緊張。
それが触れ合った時のひりひりさ、しかしそれでいてそこに冷たい距離が存在しないところが魅力だろう。
だからといってそれは調和や、ましてまとまりではなくて様々な網に分散させられてゆく。その網の目にはそれぞれ人がいる。
聴き手の反応があって初めて流動的に完成され続けてゆくんだ。
力強く圧倒的な描写力と、胸を衝くような繊細さ。その最終的には誰ひとりにもとどめを刺すことができない全神経がお人好しなナチュラルさ。
作品の活力はつまり安心できる無防備には違いないが、もはやそれが振り切れた時、本来誰によって知覚されたのか、というよりはむしろ、
誰によって体感されたものなのか分からなくなるという、その無軌道なのに素朴なカタルシス。だから安藤裕子は愛すべき幻想なんだよお。
まあそれはそれとして、「輝かしき日々」いいよ!神話だなあ。。開放的で誇らかにうたいあげるダイナミック領域によって忘我の境地。
つまり愛の世界へは何物にも邪魔されずに意のままに介入できるという神話なんだ(笑)。
「エルロイ」は繰り返し惹起される強迫観念的脅迫(笑)。電気グルーヴの元メンバー砂原良徳さんのリミックス。その思想として一歩先行く
先見の明ある思慮深さと、レトロポップな華やかさが奇妙に共存している独自の美的センス。。その世界観を敬愛して大ファンだという彼。
いや彼ってのは友達のことなんだけど(笑)、しかし彼こそが安藤裕子の音楽は執着度合が最高だよって強迫観念的に僕へお薦めしてきた
わけで、今もってあれはなんだったのかということがよくあったりするけど、まあそんな幻想の密閉容器のなかで隠れん坊みたいな鬼ごっこを
してたら今日も終わりだなあ。