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輓馬 (文春文庫)
 
 

輓馬 (文春文庫) [文庫]

鳴海 章
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

事業に失敗、命からがら故郷に還った男に百戦錬磨の借金取りの魔の手がせまる。よく見ろ己の姿を。男の挫折と復活をたどる北帰行!
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

事業に失敗し借金取りに追われ、男は北海道の兄を頼って輓曳競馬の厩舎に逃げ込む。馬を愛し、黙黙と世話をする男たち。そして、1トン近い橇を引き、障害を必死に登る馬たち。目を剥き息を荒らげようやく一歩を踏み出す馬、膝をついて立ち止まる馬…。その姿を見る男の中に、ある決意が生まれる。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2005/11/10)
  • ISBN-10: 4167679639
  • ISBN-13: 978-4167679637
  • 発売日: 2005/11/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 532,404位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
東京国際映画祭で最優秀作品賞ほか4部門を獲得して大きな話題になったのが根岸吉太郎監督の「雪に願うこと」。その原作が待望の文庫化!もしかしたら、競馬ファンでも輓馬という字を読めない人もいるかもしれない。読み方は「ばんば」が正解。体重1トンもある巨大なばん馬が500キロ以上もあるソリを引きながら、障害を乗り越えてゴールを目指す、それがばんえい競馬だ。道産子の開拓精神が生んだ、世界で北海道だけ にしかない競馬でもある。小説・輓馬は帯広競馬場が舞台。事業に失敗して命からがら故郷に還った男の挫折と再生の物語だ。主人公の矢崎は兄が調教師を務める厩舎を手伝うことになる。そこでの馬や厩務員たちとの交流を通じて、新たな人生に踏み出す気力を取り戻していく。 読後は不思議と心が暖かくなる作品。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:文庫
前半の三分の一を輓曳競馬の描写に費やしている。この描写は、単に馴染みのない輓曳競馬の紹介と言うことではない。それは、「人生」そのものであると語っている。平坦なコースに立ちふさがる第一障害、第二障害。特に、第二障害はその前で息を整えなければ越えられないくらいのものである。学は、自分の今ぶつかっているトラブルがまさにそれだと理解する。そこで逃げてはいけないのだと、兄の元を立ち去ってゆく。作者の書きたかったところはここにあるのだろう。「人生」との対比では、「自分らしく」生きるということも言っている。ちょうど、輓馬たちが、それぞれの特徴を生かして必死にゴールを目指して坂を上るように。

もちろん、学と東洋雄の兄弟の関係もあるだろう。音信不通から二十年ぶりにひょっと帰ってきた学と、一週間一緒に暮らす中でわだかまりも無くなり理解しあう。それが、血を分けた兄弟ということなのだろう。

それ以外にも、地方と都会の格差の問題もバックにしっかりと描かれている。

タイトルからは想像できなかった「人生」についての本だった。

巻末には、映画「雪に願うこと」の脚本家加藤正人が解説を書いている。そこでは原作と大きく変わった物語になっているようである。ただ、作者の世界観からは逸脱していないということなので、映画の方も楽しみである。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
事業に失敗し、全てを失った男が故郷の北海道に帰り、兄が
調教師を勤める輓曳競馬の厩舎に転がり込む。厩舎で馬の
世話をする内に新しい一歩を踏み出す決意を固める。ストー
リーとしては極めてシンプルである。ラストなど少し物足りなさ
も感じた。

しかし、馬を愛し、地道に馬の世話をする人たちの物語を読む
と、何故かほっとする物を感じるのも事実である。それは多分、
主人公の矢崎だけで無く、兄の東洋雄、騎手を目指す富永、
中学時代の同級生テツヲ、賄い婦の田中、競馬場で出会った
丹波など、脇役がしっかりと書き込まれているからだろう。

そしてこの作品のもう一つの主役は馬だ。輓曳競馬という、世
界で唯一、北海道でのみ行われている競馬が舞台である。
体重一トンもある馬が、500キロ以上の錘と騎手を乗せた橇を
引く。しかもコースには第一障害と第二障害という二つの障害
まである過酷なレースである。懸命に走る馬の描写を読むと、
主人公の矢崎だけでなく、読者にも何か熱い物が伝わって来
るようである。

都会的では無いが、北海道という大地にしっかり根ざした作品
と言えるだろう。
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